NUDNimageNUDNとはimageID/PD分野についてimageお問い合わせ

image
partitionホームpartition芸術学部情報partitionデザイン学科情報partition学生作品partition卒業生作品partitionリンク集partitionメールマガジンpartition
image
コラム「創造力の根っこ」VoL.47(01/03/2013)

RPG・ゲーム時代−2−2                       鈴木淳平

電子化は、この30年間で各分野に飛躍的な革新をもたらし世界を変えました。ゲームマスターを不要にしたRPG、インターネット・SNS、ケイタイ・スマホも、電子化のIC高密化で飛躍したLSIの情報処理革命によって成立しました。
元祖RPG、米国の〔ダンジョン・ドラゴン〕は、ゲームマスターを電子化したことで独りでも遊べる電子ゲーム・ソフトのキッカケとなり日本で『ドラゴン・クエスト』、『ファイナル・ファンタジー』なダンジョン・ドラゴン:1980年代に米国で大ブームになったカードゲーム。日本でも若者を主体にゲーマーを獲得。以下wikiでは。
『ダンジゲームデザイナーとして『ドラキュラゲーム』、『おばけ屋敷ゲーム』を商品化した1980年代初頭が、必然的な電子化の幕開けでした。ョンズ&ドラゴンズ』(Dungeons & Dragons : 略称はD&D)は、アメリカのファンタジーテーブルトークRPG。 どに発展した、RPGの手本になりました。  

電子化は玩具産業からいち早く始まりました
現在の電子産業を支える多くの大企業は、おもちゃに電子部品を組み込む用途開発目的や、〔おもちゃ開発〕のノウハウを取得し自社製品の電子化に活かす目的も兼ね、1980年代におもちゃ・玩具会社を訪ねていました。
多くの電子産業の大企業の結論・目的達成は、〔おもちゃ開発〕のノウハウに理路整然とした方程式がないことに氣づき、言葉の「遊び心」を持ち帰りました。
いつの時代も、最先端技術を開発・商品化したい企業は、真っ先におもちゃ・玩具会社を受け皿に選んでいるようです。おもちゃ・玩具会社に持ち込んでも採用されないケースがほとんどですが、今でも持ち込んでいるようです。
LSI導入は、ゲーセンと言われたアミューズメント業界が先行していました。

RPGの限界と技術革新による飛躍、電子化
1980年代の電子化の流れも、過去に予兆をみることができます。
1970年代
現在は世界の工場から超消費国に変貌を遂げつつある中国本土ですが、1970年代に米国の玩具大手のマテル社(*)、ハスブロ社(*)が安価な玩具生産拠点にしていたのが香港を中心に日本を含む東アジア(極東アジア)でした。
日本のおもちゃ業界は戦後の輸出産業の一翼を担った産業でしたが通産省(現在の経済産業省)に構造不況業種といわれ始めていた1970年代です。
電子化などの先端技術では米国玩具産業を追従する日本玩具産業でしたが、日本独自のキャラクター・ビジネスが軌道に乗り始めていた時期でもあります。
香港生産マテル社製のスマホの4分1ほどの液晶縦画面に単純な光を走らせた『サーキットレース』、『ピンポンゲーム』などのLSIハンドヘルドゲームがサンプルとして香港駐在員からバンダイ開発部に送られ、スピードと面白さに魅了され、これからは電子化だと想った一人で、電子おもちゃの予兆と幕開けでした。

おもちゃ屋が創ったボードゲームとゲーセンと言われたアミューズメント業界から発展したゲーム業界です。現在からわずか30年前、時代の必然であり礎(いしずえ)になる、〔ゲーム大国、日本〕がすぐそこに見え始めた1980年代です。

〔ダンジョン・ドラゴン〕初期RPGの限界
判定者とプレーヤー2名の計3名で遊ぶ『軍人将棋』と似て、初期RPGの〔ダンジョン・ドラゴン〕の限界は、ゲームマスターを誰かが演じなければならず、ルールガイド役とゲーム進行のムード創りで臨場感を盛り上げる〔語り部〕としてボキャブラリーあふれるゲームマスターに〔なりきり〕、楽しませることにありました。
特にシャイで有名な日本人が最も苦手とするのがゲームマスター役です。

イベントカード(おばけ対決カードなど)の限界
ゲームマスター以外でも、自分の意思でカード進行するRPGに近い『ドラキュラゲーム』、『おばけ屋敷ゲーム』のボードゲームに付きもののコマが止まったマスの指示に従うことや、イベントカード(アクシデントカードや指示カード)をめくるゲーム運びを、もっと合理的に進行・判定してくれる方法はないものか頭で想い巡らした1980年初頭、必然的な課題と限界がマスの指示とイベントカードでした。
アクシデントカードやマスの指示の代わりにLSI(チップ)で自動的にイベントを処理してくれたら…、おもちゃの町でインベーダーゲームを玩具提案したころから2年足らずでボードゲームを商品化し、壁にぶち当たり、同時に電子化・LSIに氣づいた瞬間でもあり、後の〔ゲーム大国、日本〕の言明につながりました。

RPGの限界を克服しLSIによって開花したゲーム業界
ゲームマスターのルールガイド役やゲーム進行もスマートに、自動的でスムースなRPGになったのは、ゲームマスターをLSIにプログラムしたおかげです。  ゲーマーは、苦手なゲームマスターになりきることもなく、マスの指示もイベントカードも電子化・LSI化で不要になり、仮想現実世界をより身近に臨場感にひたり、ゲーム世界の役・ロール(role)を、演じ・プレイング(playing)・〔なりきり〕、楽しめるようになりました。その延長線上に〔コスプレ〕が流行るようになったといえます。
ゲームに没頭するゲーマーが続出し日本が世界に誇る文化にもなりました。
電子化・LSIの必然がRPGの限界を克服させたのです。

(マンガ)文化を定着させキャラクター・ビジネスを芽生えさせたのが現在、定年退職後の団塊世代なら、RPGなどの〔ゲーム〕文化を定着させゲームキャラクター・ビジネスへと発展させたのが団塊ジュニア世代といえ、そのRPGの爆発的なブームを支えたのは、日本の人口分布が要因のひとつとしてあげられます。

大ヒットのRPG呪縛を抱えるゲーム業界
ビジネスとして安定した売り上げを維持し期待でき同じタイトルのRPGが二けたのシリーズまで創りつづけられた背景には、それを支える根強い熱狂的なファン・ゲーマーの存在抜きにゲームソフトハウスを語るわけにはいきませんが、ゲーム業界全体の呪縛にも似て、RPG以外の新しいシステム導入が希薄になり、ジンクス化し、弱体化の原因かもしれません。(〔ゲーム大国、日本〕に続く)






IC:integrated circuit
:集積回路

LSI:large scale integrated circuit
:大規模集積回路

ダンジョン・ドラゴン
:1980年代に米国で大ブームになったカードゲーム。日本でも若者を主体にゲーマーを獲得。以下wikiでは。
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(Dungeons & Dragons : 略称はD&D)は、アメリカのファンタジーテーブルトークRPG。















*注:マテル社
:バービー人形で有名。当時バンダイ提携先

*注:ハスブロ社
:戦後の空ビ(空気で膨らむビニール人形)の〔だっこちゃん〕や〔りかちゃん人形〕で知られる日本のタカラ社(現、タカラトミー)が大ヒットさせ、ハリウッド映画でも大ヒットした「トランスフォーマーの提携先

































コスプレ
:costume play