BMI〈想念〉電子変換と情報端末
鈴木淳平
そう遠くはない将来、古代からシャーマンや巫女(みこ)が蘇ったか、あるいはSF世界の特殊能力者のような、見た目の姿は何ら変わらない〈電脳テレパシー装置〉と表現するにふさわしいインプラント型の〈想念〉電子変換チップを脳内で操る人々が増えていそうです。そこには脳内の〈想念〉アナログ信号をデジタル信号に変換するウェアラブルを超えたBMIの存在を知ることになります。
ネットでBMIを検索すれば真っ先に体重による肥満度計算式がでてきます。
意味の異なる最先端技術のBMIは、ウェアラブル情報端末の先に必然的で合理的なインプラント(implant)=身体埋め込み型として魅せています。
扉を開け電線のつながった電極がいくつも差し込まれたヘルメットをかぶり、訪問者である主人公の目的・〈想念〉を読み取ろうとする発明家ドグと過去世界での再会が印象的な映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。ドグの滑稽な姿に笑いをもらした人も多かったと想います。映像表現として見た目には何ら変わらない脳へのインプラント型だと〈絵〉にならないので時代設定を過去にし、ヘルメット型のウェアラブル情報端末とした製作者の意図を感じます。ドグがかぶっていたヘルメットがBMIの初期原型と言えます。現実世界で今も研究され実用化に向け世界の研究者が競っているBMI技術です。
BMI:ブレイン・マシン・インタフェース(Brain-machine Interface:脳介機装置)
人と機械の意思や情報の仲介のためのプログラムや機器であるマン・マシン・インタフェース(man-machine interface:人介機装置)のうち、脳波を解析して機械との間で電気信号の形で出入力するためのプログラムや機器である。
出力先がコンピュータである場合にはブレイン・コンピュータ・インタフェース
(Brain-computer Interface : BCI、脳介電装置)とも呼ばれる。
共に想念技術の一形態である。
現在のBMI実用化例
実用化例は、コンセプトとイメージは映画で描かれ、次に、新しさと面白さ、可能性を具現化したテストマーケティングを、夢を感じさせるおもちゃ(玩具)で市場調査されるケースが一般的に多く先端技術のBMIもその一つです。
他業界に先駆け2003年にスウェーデン、2009年に米国で玩具化され、続いて介護・福祉で様々に実用化されつつあり、スポーツでは良い結果に結びつきやすい脳波状況を訓練によって安定維持できるようにする目的で、脳波形を用いたバイオフィードバックと呼ばれる手法が、アメリカ合衆国等ではオリンピック選手などに利用されているとウィキペディアにあります。(抜粋)
日本でも企業や大学の研究機関が実用化に向け試作検証を繰り返していてテレビ報道などで度々紹介されているBMIです。
電脳テレパシー装置は実現可能か
テレパシーと現象的には似たものになるBMI技術。テレパシー(telepathy)は、遠距離のteleに感情のpathyの合成語で、遠く離れた人同士が直接感覚的に情報伝達する意味です。近未来の携帯情報端末操作装置として有力視されるBMIは、親指姫やスリスリと端末を操る忙しい指操作から解放してくれそうです。
古代のシャーマンや巫女の能力とされる脳に何かが降りて未来透視の〈想念〉と〈お告げ〉を、¿科学技術万能の21世紀?は、〈想念〉を極小にチップかされたBMIで電子信号化し〈お告げ〉のように外部情報端末を操作する、奇跡に似た〈想念〉で電子機器を操る姿を世界のあちらこちらで魅せることでしょう。
電脳テレパシー装置のBMIは、サードアイ(third eye)
動物の両目機能はアナログ視覚情報センサーであり、BMIは外部と交信できるデジタル化された双方行型情報交換が可能な、古くて新しい第三の目・サードアイの未来形ではなかろうかと感じます。映画にでてきた脳波を読み取るウェアラブルなヘルメット型や、ヘアバンド型などのBMI技術が人と人とのコミュニケーションツール・端末を操作する一方通行の装置として先に実用化されマスコミをにぎわすことでしょう。意思伝達、外部装置操作の初期段階を経た後BMIは、〈想念〉同士の双方向情報交換できる電脳テレパシー装置を最終目標とし形態はインプラント型か、簡易的で即効性のあるインジェクション型を目指すでしょう。課題である、脳波へのフィードバックにまだ時間がかかりそうです。
(可能になればもはや人はサイボーグ人間なのかもしれません)
モバイルフォン(Mobile phone)、セルラーフォン(Cellular phone)、スマホのスマート・フォン(Smart phone)、共にテレフォン(Telephone)の略、フォンを使い名付けてBPI・ブレイン・フォン・インタフェース(Brain phone Interface)ともいえるBMIは、ウェアラブル情報端末を超える機能性と利便性が期待されています。
情報量が膨大なヴィジュアルやデザインなどの〈想念〉をデジタル化できるか
簡単なオペレーション操作のコマンドや言葉に反応するBMI技術に比べ、想念の一つであるイメージやヴィジュアルなど複雑にして情報量の多い〈絵〉をBMIはデジタル信号化し外部出力できるか、広範囲な情報処理能力を必要とし未知数であり究極の課題として未来に期待が膨らみます。
コミュニケーションツールは歩くからジャンプへ
ケイタイ・ガラケー、そして今主流のスマホ、次期主力と言われるウェアラブル情報端末、ヘルメット型、ヘアバンド型のウェアラブルなBMI、その後脳内インプラント型やインジェクション型で情報端末を操るBMI(BPI)へ、歩くから駆け足に、駆け足からジャンプへ、わずか四半世紀のうちに世界規模に飛躍したコミュニケーションツールは、より身近であり、分身であり、なくてはならない存在となり、ますます今後が楽しみです。夢を形に、無から有の企画力を育む〈想像力の根っこ〉から養分を吸い上げ続けています。
BMI(Body Mass Index)
ヒトの肥満度を体重と身長を使って計算する体格指数
傾斜文字:BMIのネット検索、ウィキペディアより、ブレイン・マシン・インタフェース(Brain-machine Interface : 脳介機装置)から引用。
インプラント型=組織の一部として埋め込み移植する方法
簡易的即効性のインジェクション型=注射によって一時的にBMIの機能を体内で機能させる方法(筆者の希望)