色・究極(Ultimate・Supreme)
鈴木淳平
太陽光の反射色に共通認識の可能性を否定できないまま
人類の英知を集めた電子化の人工色に共通認識の可能性を見出すも
パピルスに劣る記録媒体の脆弱さは大自然や太陽光に及ばず
悠久の時を超え存在し続けるはずの色は、見る人によって認識を異にする
ギラギラ・燦々と容赦なく照り射す、まばゆい光に晒され、かすれた景色の夏
青々したイチョウの葉が黄色へのグラデーションを魅せる秋の始まり
赤やオレンジ、黄色などの暖色で山々を彩らせ多くを実らせる秋の深まり
白銀の雪に紅白のサンタとポインセチアの赤と緑が似合う北半球のクリスマス
灰色・モノトーン風景に変える弱い光、暖をとる…猫は、こたつで丸くなる♪冬
白に限りなく近い桜がはじけたポップコーンのように咲き乱れ枝を覆い尽くす春
青々と光を端端から反射させる一枚一枚の葉が心地よいそよ風になびく初夏
そして色を失いかける景色の夏…
四季を感じさせる色とりどりの世界は日本ならではの風物詩、色物語です。
人は眼によって色を認識し自然の世界に生き学んできました。
ヒトは眼の生き物
ヒトは、植物の遺伝子から眼をもらい進化の過程で多足の節足動物から脊椎動物に分化し爬虫<
類をへて哺乳類へと大躍進してきたそうです。
脳に植物の痕跡の視神経があり、爬虫類の脳を哺乳類の脳で覆い、他の動植物にはない巨大化<
した脳をもつ動物が人類なのです。
(不思議と人類の二重螺旋遺伝子がそれを物語っていると感じさせます)
人類を大躍進させたヒトの眼を創った2つの奇跡
1つ目は、明るい暗いを見分ける光合成の葉緑素をもった植物の遺伝子を、海中生息時代の眼を持たなかった動物は植物プランクトンを摂取したことで目を身に着けたといいます。直径約10cmの大きな眼をもつ人類の祖先と考えられている爬虫類のような体調10m、体重4トンくらいのダンクルオステウスは、体長2m程度で手がハサミになっている複眼の王者ウミサソリと、海中対決で〈カメラ眼〉の強みを活かし生き残ったそうです。5億5千年前のカンブリ紀に主流だった昆虫などの複眼との生存競争で人類の祖先は〈カメラ眼〉を身に着けたことになります。
2つ目は、遺伝子4倍のインパクト―原始動物時代に植物の光合成遺伝子を取り入れながら偶然が重なり父母から半分づつ受け継ぐ遺伝子のはずが全部の遺伝子を受け継ぎ2倍の遺伝子を持った父と母がめぐり逢い4倍の〈全ゲノム重複〉遺伝子をヒトは持ったことで様々な機能を体内に持たせることができるようになったといい、眼の場合、1億個の網膜やレンズなど約1800種の遺伝子が作る〈カメラ眼〉がその一例だそうです。
色の共通認識
人類は色を共通認識できるか?答えは、「出来るし、出来ない」両方の可能性を感じています。みんなと一緒の色を望む共通認識の可能性を否定できませんし、多用性に富んだ色の世界は民族や地域によって人それぞれの好みや想い思いによって異なり、そこから異文化交流のように新たな刺激、発見から人が互いに理解を深め共通認識化することも出来るはずだからです。
色を知らしめる太陽の恩恵
色の共通認識は、肌の違い、言語の差、生活習慣や文化を乗り超え、ヒトが人であることを、漆黒の宇宙に太陽の周りを秒速約30kmでカッ飛ぶ青い地球に、人間の尊厳を守る知恵と愛を光と熱で導く太陽が恩恵をもたらしてくれます。
色の商業化は人工色が標準
畏敬の太陽光に挑戦するように人工色を世界標準化し手に入れた現在、言葉の障壁と混乱を招いたバベルの塔の崩壊から学習効果を得た人類は数百万色に及ぶ多様化した色をマイコンの力を遣い電子化したことで、バブルの塔崩壊以前に還元したような氣にさせられます。
数百万色をスタンダード・標準化した目的は、言語の壁を超え、民族を超え、文化を超えグローバルスタンダードによる商業・ビジネス上において必要不可欠だったことが最大の要因の一つだと感じます。
色はそこはかとなく…
色は情緒につながり人の心によって同じ色でも異なった認識を示し人がこの世で生きるゆえんであり面白さであり人類の文化史と密接につながり、人の移り気なあるいは気分によって感じ方が異なり実体があるようでない、限りなく繊細で感じ取るのにも人それぞれが異なる認識を示すような、人の氣持ち次第のそこはかとなさが色の世界である氣がします。
色・クライシスの本質は(クライシス−2、創造力の根っこ72から)
LED発光の総人工色を太陽光の反射による総天然色に近づけようと原理的にもイコールのはずが似て非なるのは、反射色と発光色の差でした。
数百万色におよぶ電子化された人工色は、わずかな電子によって発光する故、電源喪失すればモニターに映し出されていた色はもろくも無とかします。
珠玉の言葉・名言を憶い出します。
「私は、水面に映る月(I think , I will reflection , like a MOON on water !)」
色は実態があるようで無い、人のそこはかとなさの領域をも凌駕しています
ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe 1749-1832)は、戯曲『ファウスト』で有名なドイツを代表する作家ですが、そのゲーテがこの世の旅の終わり・最期に発したと伝えられている言葉を、奥深く限りなく無彩色に近い色彩を感じ味わいながら、締めくくりとします。
「もっと光を!(Mehr Licht!) 」
―古代生物の「命のドラマ」をタイムトラベルCGで体感!新垣結衣がナビゲート・・・・ シリーズ『生命大躍進』第1集「そして目が生まれた」、NHK総合、2015年5月放送より
「…彼らの言葉を乱してやろう。彼らが互いに相手の言葉を理解できなくなるように」(「バベルの塔」…、色・クライシス創造力の根っこ71より
10月27日8:02AM TOUKYO MX1「モーニングCROSS」より放送
(ダライ・ラマ14世がチベットからの亡命時にインド国境で言ったとされる言葉、映画『クンドゥ(Kundo)』マーティン・スコセッシ監督作品作より、コラム「創造力の根っこ」Vol.10に掲載)
ウィキペディア抜粋より