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コラム「創造力の根っこ」VoL.86 (02/06/2016)

「工夫(device)の究極・AIロボットX:人間型AIロボット」  
                                  
鈴木淳平

未来に生きている実感と便利さを得られるAIロボット時代がやってきます
いきなり、人間型AIロボットが人間に代わり様々な職場で活動し始めたら…
急速な文明の進歩は人々に不安とストレスを与える可能性があります
AIロボットを開発する人、遣う人、それぞれの思いが重くのしかかります

 現在の日本は、都市型生活者が増える傾向の中、昔懐かしい道端でのお年寄り、ご近所同士の挨拶や、街や店で見知らぬ人とのちょっとした世間話などが減る傾向にあり、懐かしんで知らない人に話しかければ胡散臭(うさんくさ)く、変態やワケアリ人間に勘違いされるなど閉鎖的で行動範囲が狭まく、知っている人同士だけで生きているような勘違いをした人が街にあふれていると思う人も増えているのではないでしょうか。
人間型AIロボットが普及した世の中を想像する前に人同士のコミュニケーションが上手くとれない人が今の日本社会には増えていそうで犯罪や事件、もめ事、争い事のニュース報道が絶えない現状を憂いながら、そんな状態で人は人間型AIロボットと共存できるのか、悩むところです。

人間型AIロボット花盛りな環境空想
コンビニでAIロボットが店員さんになっていたら…
居酒屋でAIロボットが店員さんになっていたら…
テレビでAIロボットがアナウンサーの原稿を読むようになっていたら…
自動運転タクシーでAIロボットが乗務員さんになっていたら…
おうちのオサンドンもAIロボットがこなすようにしたら…
おうちのオツカイもAIロボットが買い物に行き店側もAIロボットになっていたら…
社会で関わる相手のほとんどがAIロボットになっていたら…

「世の中便利になったけど人が消えた!」、「みんなはどこにいるの?」、「盛り場で人々の姿を見かけるのが懐かしい」、「生身の人と挨拶を交わしたい!」。人間と同じ背格好のAIロボットが流ちょうに相手をしてくれる世の中を想像すれば、そこにはきっと多くの人からそんな言葉が漏れるのを耳にしそうです。

AIロボット開発者の思いを想う
AIロボットを開発する人は、人間に代わってAIロボットを遣うことでメンドウで手間暇かかる雑務から開放し、何かに困っている状況をAIロボットで解決しようとしたり、人間性溢れる生活を楽しんで欲しい、本来の人間性を取り戻す時間を得てほしい、など消費者・生活者をイメージしながら開発していると想われます。
善意と文明の発展を夢見、具現化する満足感と社会貢献の意義と正当性を謳歌する言葉や理念に我々はAIロボットから開発者の思いを感じる機会を得るとと想います。
AIロボット使用者の狂気が凶器に
一部の人は、開発者の善意とはかけ離れた使い方をする可能性があり、ヒトが存在する以上切り離せない解決できない難題なのが、意図とは異なる遣い方をしたり、誤用を超え悪意に満ちた狂気による凶器としてAIロボット・デヴァイスを遣うかもしれません。
以下のたとえはまだよい方ですがコンビニでビールを買う時、成人確認で画面タッチを要求され「見ればわかるだろう!」とAIロボットの店員さんに食ってかかってみたり、自動運転タクシーに乗り込みクダを巻いたり嘔吐したり、人間の反応、態度は多様性に富み、AIロボットがどこまで対応できるのか?かなりのトレーニングと人間コミュニケーション能力がを求められるはずです。

コミュニケーションの時代といわれながら
他人と話すのが苦手な人が老若男女増えているそうです。様々な原因が想い浮かびます。老人に限らず孤食をする一人暮らしの人が都市部に限らず増え、人と話す機会が何日間もない人がいたり、生身の人との会話・コミュニケーションが苦手にならざるを得ない現状・環境があるようです。今風のコミュニケーションツール・デヴァイスはケイタイ・スマホであり、良くも悪くもケイタイ・スマホの普及がコミュニケーション能力不足の原因だという人も多そうです。
コミュニケーション時代と言われながらデヴァイスが発達するにつれ失われつつある人間としての基本的な「人間らしさ」が欠如するようになるとは、なんとパラドックスな皮肉な話ではありませんか。

外国人に片言の日本語で話かけられ、〈善良なる日本人〉が多いことに驚かされます。コミュニケーションの時代、言語を超え、「お・も・て・な・し」の2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、どこの街でも見かける「人間らしさ」を象徴するヒトコマです。同じように現状のAIロボットには善良なる態度で接するのが好ましいようです。
本来の人間らしさは、この言葉をもって理解できそうです。
斟酌(しんしゃく)
相手の事情・心情などをくみとること。相手の立場にたっておもんばかる、場合によって手加減する。
リアルな日本社会の現状を、現象を経験すればコミュニケーション能力に乏しい人が増える傾向だと感じさせられます。
〈話し合う姿勢を常にもつ〉
〈相手の立場になって言葉を交わす〉
〈自分がされて嫌なことは相手にしない〉
今の日本社会に希薄であり求められる人間らしさは、至って単純明快な答え、斟酌です。AIロボット開発にも必要な設計思想と感じます。現在、人同士に一番求められる「斟酌を加える」が必要な日本社会ではないでしょうか。