■増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 5(2/23/2004)
「自分のモノサシ・・・」
先日、第130回芥川賞と直木賞の贈呈式がありました。
特に芥川賞は史上最年少(受賞当時19歳と20歳)ということもあってニュースでも大きく取り上げられ注目されました。
「女の子作家”最高潮」なんて見出しが躍った記事もありました。
芥川賞の受賞作が全文掲載された「文芸春秋」3月号は105万部を達成し、贈呈式には過去最高、1200人の文壇関係者、報道陣が詰めかけたそうです。
今は仕事柄、活字を読む機会が多いのですが、私が学生の頃は、世間で評判になっている本や百万部突破!というようなベストセラーはあまり読まなかった気がします。
自分が学んでた事に直接結びついているもの、例えば家具の○○とか、○○のデザインとか、専門書に近いものや、デザインの延長線上にあるようなものは自然と手に取っているんです。周りの友達が車関係の本とか読んでたり、IDの研究室にもデザインの本がいっぱいあったり、近いところからの情報は割と自分の中に入ってきやすいけど、いわゆる「世間」の事って自ら手をのばさないと届かないんですよね。
誰でも自分のモノサシを持っていると思います。でも世間とのバランスって結構難しい。
人が何と言おうと自分が良ければいいじゃん!と言い切れればいいけど、でもそういう訳にも・・・。
いい悪いや、好き嫌いは別にして広く世間に認められたものに触れる事によっても、自分だけのモノサシが出来てくるのかな。と今になってそう思います。
私だけのモノサシも、日々微調整しながら作り上げられています。
それにしても今回の芥川賞2作品はどちらもいろんな意味でスゴイと思いました。過激でピュアで繊細で脆くて。こういう作品に、歴史ある賞が贈られるのは素敵な事だと、感じました。
ここ最近スタッフルームで流行った本です。
ちなみに私は30代になって初めて稲中を読みました。全13巻一気に読破!面白かったです。
さて、暖かくなってきましたね。そろそろ卒業制作展の時期でしょうか。
私も時間を見つけて若い感性を吸収しに行きたいと思っています。その時はどうぞよろしくお願いします。
小田急線の梅が丘にある羽根木公園に梅を見に行ってきました。
季節に触れることは、仕事にも、心にも、大切です。
2004.2.22
増子瑞穂