■増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 12(9/29/2004)
「恋が愛にかわるとき」
腰が痛いです。自宅のパソコン用の椅子の座り心地が悪いからです。
収納、兼、椅子、というバケツにふたをしたような、椅子とは到底呼べないものを我慢して使ってきました。マッシー通信が始まって、早いものでもう1年になります。でもこれではコラムの筆もなかなか進まない。そういうわけで、座り心地のいい椅子を思いきって買うことにしました。予算はずばり、2万円!お恥ずかしいことに。リーズナブルで座り心地のいい椅子を求めて残暑厳しい中、いざ新宿へ。
まずルミネ内にあるリーズナブル&おしゃれ系インテリアショップ。目にとまったのは座面と背もたれがメッシュ、キャスターつき。値段は1万5千円なり。かなりリーズナブル!でもアームレストがステンレスパイプで、これからの季節、ヒヤッとしてしまうため却下。安くてデザインがシンプルなのはよかったのですけどね。でもさいさきのいいスタートです。最初からまあまあの椅子に出会えたし・・・と思っていたらこれはほんの前ぶれ。巡り逢ったのです。巡り逢ってしまったのです。最高の椅子に・・・。
2軒目、大手ショールーム。
そこにはかなり大振りの、威風堂々たる椅子が。見るからに座り心地よさそう。
ステンレスボディにアルビレックスカラー(サッカーJ1のチーム)のオレンジクッション。座った瞬間・・・首にも肩にも腰にも何の違和感も感じない。ありのままの姿勢を包み込んでくれるような、やさしさ、おおらかさ。でも値段を見ると、余裕の10万円超!無理だよねー。あぁ、でも心地いい。この椅子から立ち上がれない。軽く30分ほど座り続けたのち、後ろ髪ひかれる思いで、その場をあとにしました。
3軒目、ポイントも貯められる、大型家電量販店。
そこには、ありましたよ、やはり。座り心地いい椅子たち。大きさ、素材、機能、かなりの種類が揃っています。値段も1万円台から5万円台まで、手の届く範囲内です。
でも、でもね・・・。忘れられないのです。2軒目で出逢った、あの椅子のことが。
いい椅子に座ってしまったらもう離れられないのですね。恥ずかしいけど言っちゃいます。恋してしまいました。。。
この恋心は本物なのか。確かめようと、もう一度2軒目へ。遠目に見てもやっぱり素敵。洗練されたアームレストは手招きしているかのようです。おそるおそるもう一度、この身をゆだねると・・・やっぱりこれですよ。これこれ。この心地よさを探し求めていたのです。そして衝撃の事実を知ってしまうのです。そばにある説明書きを見ると、この椅子は、かの、ジウジアーロデザインだったのです。
IDの皆さんはご存じでしょう。イタルデザイン、ジウジアーロ。そして、もうおわかりの方もいますね。私が惚れてしまったのは、IDEA2004の家具部門で金賞を受賞した椅子、コンテッサだったのです。そりゃあ、惚れちゃうハズですよねー。
でも、しばらくIDを離れて生活している私にとって、惚れた椅子がジウジアーロだったことがうれしくてしかたがない!この事実を知ってしまったからには、清水の舞台から飛び下りるつもりで、もう買うしかない!
恋が愛にかわった瞬間です。
愛しのコンテッサ。我が家に到着するのは10月上旬の予定です。
コンテッサ日記、次号に続きます。。。
2004.9.28
増子瑞穂
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連載 - 13
「コンテッサ日記続き」
(10/31/2004)