■増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 16(1/31/2005)
「色・いろ・イロ」
先日、誕生日を迎えました。32歳です。大人になったなぁ。
周りには「2回目の16歳のお誕生日なの」などとぬかし、ひんしゅくを買っています。
でも、これまでの誕生日の中で一番実感わきませんでした。人はこうやって段々、自分の年が分からなくなっていくのかもしれません。
それはさておき、最近、服や身の回りのモノなど、明るい色を身につけることが多くなってきました。学生の時はモノトーンなど黒を基調とした服ばかり。日芸の頃の写真を見ても着ているのは暗い色、くすんだ色の服ばかりです。
最近は黒ずくめ!という格好はあまりしなくなりました。色彩学的には、学生から社会人への過渡期には黒を好む傾向があり、その後、嗜好色は多様化していくそうです。でも黒は今も昔も変わりなく大好きな色・・・。いったいどういう心境の変化でしょうか?
幼児期は赤や黄、青などビビッドカラーを好む傾向があります。たくさんの色の中でも原色に興味を示すことが瞳の動きなどから証明されているそうです。その後、生活環境や好きなタイプのファッションなどの影響を受け、心地いいと感じる色はまさに十人十色になっていくようです。私も学生の頃は暗い色の服ばかり着ていたし(カラス族の世代ではないんですけどね)仕事を始めてからは、その年の流行色と言われる色に心引かれたこともあるし。年代や環境によって色の好みは変わってきました。それでも黒は常に私のベースになっている色でした。そういえば今年は「白」が流行るとも「ピンク」が流行るとも聞いています。心寒い時代だからこそ、明るい色に気持ちが行くのかもしれません。
一般的に赤を着ると顔色がよく見えると思われがちですが、自分の肌色が黄みよりか青みよりかで違ってきます。青みがかった肌色の人が赤を着るとぱっと華やかな印象になるけれど、黄〜オレンジがかった肌タイプの人は、鮮やかな赤を着ると、顔色がくすんでしまう傾向があります。鮮やかな色どうしが打ち消し合って、顔色が映えないようです。
テレビの仕事を始め自分の姿を画面でまじまじと見るようになり、ようやく好きな色と似合う色が違うことが分かってきました。そしてさらに、気がついてしまいました。暗い色を着ると一気に老けてしまう年代になったことも!
20代の頃は、黒を着ようと、どんなに大人っぽい服装をしようと、揺るぎない若さがあるのです。しかし30を過ぎた今、大人っぽい色を着ると、気をつけなければ一気に、必要以上に、大人になってしまうのです。色と上手に付き合わなければならない30代。
その反面、大好きな色、黒をカジュアルにもエレガントにも着こなすことができるようになってきた年代。年相応に見せたい時、偽りたい時、自分を演出するため「色」は強い味方になってくれるのです。
この原稿を書く前に、なんの気なしにとった仕事用の写真。これまでの私にはなかった「色」です。学生の頃にこういう「色」を出していたらもう少しモテたかも、と浅ましいことを考えたりもします。
2005.1.30
増子瑞穂
massy@d4.dion.ne.jp