■増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 46(8/29/2007)
「飲んだら飲ませるな」
今年の夏は本当に暑かったですね。皆さん体調はいかがですか?
暑さも和らぎ9月になると、いよいよ我が家では息子が1歳の誕生日を迎えます。
初めての子育て。毎日が無我夢中で1日1日を無事に終えるので精一杯で、というよりも1日がいつ終わったのかもわからないような状態で。とにかく振り返ってみるとあっという間の1年でした。お陰さまで健康に成長しています。あれだけおっぱい星人だった息子も、今は三度の飯がなにより好き。そろそろおっぱいは卒業のようです。少し寂しくもありますが、お酒が大好きな私。これで晴れてお酒を解禁できます。
「え、赤ちゃんにおっぱいを飲ませているとお酒ダメなの?」と思う人もいるかもしれません。そうです。お酒は飲めません、絶対に。
お酒を飲んだら絶対にしてはならないことに運転がありますが、授乳もしてはならないことの一つなのです。以前、連載36「おっぱい」のチカラでも触れましたが、母乳は血液から作られています。食べたり飲んだりしたものが血液となり母乳となり子供の栄養となるのです。ですからお酒を飲むと、母乳にアルコールが含まれてしまうのです。アルコールを含んだ母乳を赤ちゃんが飲むと、脳神経細胞に悪影響を与えることが指摘されています。また発育が悪くなるおそれもあります。アルコールの分解能力がない子供にとって、お酒は毒物でしかないのです。さらに乳児は自分の意思でお酒を拒むこともできませんし、アルコールが体の中に入ったときの苦しさを言葉で訴えることもできません。
しかし、母乳で子育てをしているママ達の中でお酒を飲んでいる人は少なからずいます。残念なことに。かつて、授乳中でもストレス解消程度に少量のアルコールならよい、とされていた頃もあったようです。でもそれは昔のはなし。現在は厚生労働省からも授乳中のお酒はやめるよう勧告がでています。また酒造メーカー各社でも授乳中のお酒をやめるよう広告やホームページで呼びかけています。お酒で利益を得ている企業が、お酒をやめるよう呼びかける。この事実だけでも授乳中のアルコールがどれだけ危険なことか想像できますよね。
日本は冠婚葬祭をはじめお酒と密接な関わりを持つ国なので、認識が甘くなるのかもしれません。「少しくらいなら」と思う気持ちもわかるのです。でもかけがえのない子供の健康と未来。守りたいですよね。
子供の病気の中には遺伝によるものなど、避けられないことも多くあります。でもアルコールが起因する病気に関しては母乳を与える母親がお酒を飲まなければ必ず避けられるのです。女性はもちろん男性も、将来家庭を持つ学生の皆さんにも広く知っていただきたいことです。
毎週のように飲酒運転のニュースが流れています。「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな。」それと、もうひとつ。「飲んだら飲ませるな、飲ませるなら飲むな。」おっぱいで子育てをするならお酒は飲まない。覚えておいてくださいね。
2007.8.27
増子瑞穂
参考資料
アサヒ
http://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/health/manner/3-4.html
キリン
http://www.kirin.co.jp/about/knowledge/health/science_13.html
サッポロ
http://www.sapporobeer.jp/csr/tekisei/tsukiau/jyosei.html
サントリー
http://www.suntory.co.jp/arp/main/when.html#02
ビールが飲みたくなる暑い夏。美味しいミネラルウォーターが癒してくれました。