■増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 52(02/28/2008)
『ノブ』
今年はよく雪が降りましたね。いよいよ3月。暖かい日差しが待ち遠しいです。
早いもので息子は1歳6ヶ月になります。イタズラも日に日に激しさを増してきました。最近のブームは、穴があったらまず自分が入ります。自分が入れない穴ならば何かを落とします。オモチャであろうとそうでなかろうとおかまいなしです。同じ月齢の子を持つ友人は、勝手にトイレのドアを開けられ洋式トイレに携帯電話を落とされたそうですからたまったものではありません。我が家も気をつけなければ、と思い気づいたのですが、息子は家のトイレのドアを開けられません。手が届かないわけではないのに。
うちのトイレは昔懐かしいドアノブなのです。
そういえば、今時のドアはほとんどがレバータイプ。上から下に力をかければ開けられます。子供でもレバーに手が届けば、ぶら下がるようにして体重をかけドアを開けられます。友人はこうしてトイレに携帯を落とされることになってしまったわけです。
いっぽうドアノブは片手でノブを回さなければ開けられません。子供の小さい手ではノブを回せないのです。お陰で我が家のトイレは、息子にいたずらされる心配のない数少ないセーフティ−ゾーンになりました。まさか、この古めかしい昔ながらのドアノブが子育てするうえで役に立つなんて。目からウロコの発見でした。
でも、このドアノブ、バリアフリーの面から見ても消えつつあります。子供が開けられないということは、力の弱くなったお年寄りにも開けにくいということです。手首をひねってノブを回す動きというのは思いのほか様々な筋肉を使うんですね。いたずら盛りの子供には開けられなくて、でもバリアフリーには配慮されていて、一般の人にも使いやすくデザインもいい。そんな夢のようなドアノブはないものかな。とはいえ、我が家のトイレがセーフティーゾーンでいられるのも時間の問題かもしれません。昨日は手が届かなかったところに今日は届き、今日出来ないことが明日出来るようになっている。それくらい子供の成長は目覚ましいのです。息子がドアノブを回せるようになったとき、穴に何でも落とすブームが去ってくれていることを願っています。
2008.2.28
増子瑞穂
★マッシー親子が表紙となった雑誌です。ご覧下さい(編集者:談)
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