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増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 66(04/28/2009)

「美味しいお得気分」

 新緑がまぶしい気持ちのいい季節になりました。でも木々の緑の生命力とはうらはらに不景気なニュースばかり聞こえてきます。自動車販売の不振など工業デザインはなんだか元気がない印象を受けてしまいます。その一方で、炊飯器やホームベーカリー、オーブングリルなどの家電の売り上げが伸びているそうです。不況の影響から、外食の出費を避け、家で食事を楽しむ人が増えたことによるとか。
我が家でも1年前に購入したホームベーカリーが活躍しています。ホームベーカリー本体はもちろん、ホームベーカリーを特集した料理本も書店に多く並び、売れ行きは好調のようです。私の周りでもここ最近でホームベーカリーを購入した人が何人もいます。

 ホームベーカリーのパン作りを簡単に説明すると、焼き釜に強力粉、塩、砂糖、水、バター、好みで卵や牛乳、そしてパンを膨らませる役割のイーストを入れてスイッチを入れる。これだけです。4時間後にはふっくら美味しい焼きたての食パンが出来上がります。早焼き機能を使うと2時間ほどで焼き上がります。また予約機能を使って夜寝る前にセットしておけば、朝には焼きたての食パンが食べられます。家中に広がるパンの香りで目覚める幸せといったらありません。ホームベーカリーを購入してから朝食はほとんどパンになりました。夜はご飯やパスタ、うどん、そばなどをローテーションで食べるので、我が家では炊飯器よりもホームベーカリーの稼働率が高いほどです。夫も「粉250g、塩5g、砂糖17gに水180cc…」などレシピも見ずに材料を量り、ホームベーカリーをセットできるようになってしまいました。

 現在ホームベーカリーはパナソニックや、三洋電機、象印などから、およそ20種類発売されています。価格は1斤タイプ、1.5斤タイプなどで幅がありますが、売れているのは1万5千円から2万円くらいのものです。ほとんどの機種がケーキも焼くことができますし、パスタやもちを作れる機種もあります。「パン生地コース」という機能を使ってパンの「練り」の部分のみをホームベーカリーが行い、練り終わった生地を自分の好みのカタチに整え、チーズやハムなどの具材をのせたり混ぜたりしてオーブンで焼くこともできます。ピザも手軽に作れます。粉を混ぜたり、練ったりという面倒な作業をホームベーカリーが担当してくれるのです。この面倒な作業が楽しいという方もいらっしゃると思いますが、ズボラな私でもホームベーカリーを使うことによってパン作りを楽しむことができます。粉を練って手がベタベタなときに、子供に「抱っこー」なんて言われる心配もないのです。

 自分で材料を選んでパンを作れるので食の安心にもつながります。市販のパンは牛乳や卵が使われていることが多くあります
が、牛乳や卵のアレルギーがある子供にはこれらを使っていないパンを選ぶなどの配慮が必要です。ホームベーカリーならば、牛乳や卵を使わない、または減らすなどして、自分で材料を選べるのでアレルギーに配慮したパンを子供に食べさせることができます。また素材の産地も自分で選ぶことができるので食の安心安全が高まります。我が家では北海道産の強力粉をネットで取り寄せています。5kgや10kgといった大型パックを買えば送料を考えても、スーパーで売られている外国産の強力粉と値段はほとんど変わりません。

 これらの「美味しい、安心、安全」ということに加えて、ホームベーカリーが売れている最大の理由は「元が取れる」ということではないでしょうか。
主婦層から多くの支持を得ている生活情報番組「はなまるマーケット」のホームベーカリー特集によると、「パン屋の食パンと、ホームベーカリーで作った食パンの材料費・電気代を比べた場合。ホームベーカリーの場合は、食パン1斤分の材料費を足すと、151円。焼き上がりまでに3時間半かかるとして、電気代が6円。合
計すると157円かかる。パン屋の食パン1斤分が310円とするとホームベーカリーで焼いた方が1斤あたり153円のお得になる。つまり毎日1斤食べるとすると、1年間で55,845円のお得、という計算になる。
また、ホームベーカリーの価格が18,240円と考えた場合、120斤食パンを食べれば元がとれる計算になる。120斤も食べないというのであれば、パン屋で買ったほうがお得だし、それ以上食べるのであればホームベーカリーを購入してもお得になる。この120斤というのは、毎日食べれば4ヶ月ということになる。」(はなまるマーケット調べ)なるほど。私がホームベーカリーを購入してちょうど1年。ほぼ毎日パンを焼いているのでもう十分に元はとれている計算になります。
もちろんパン屋で買う食パンの値段には幅があるのでこの通りの計算にはなりません。激安スーパーなどでは1斤あたり100円とか98円とかで販売されていますし。それでも毎日のように食べることを考えたらいずれは元が取れるでしょう。この「元が取れる」というところが不景気の中でも主婦の心をグッとつかんで財布のヒモをゆるませるのです。しかも圧倒的に美味しいパンが食べられる。
炊飯器にしても、オーブングリルにしてもそうなのでしょう。外食するよりも家で食べた方がグンと安い。高いお金を出して外で食べるよりも、その分いい素材、好きな材料を使って家でお得な気分を味わいたい。不景気ならではの「お得気分」を私たち主婦は楽しんでいるのです。

 定年退職後のお父さん世代で第二の人生の楽しみにと、そば打ちや料理を始める方が多いとか。これからパン作りに目覚める方もいらっしゃるかもしれません。皆さんの手元には定額給付金は届きましたか?65歳以上の方には2万円が支給されるそうですね。第二の人生のお供にホームベーカリーはいかがでしょうか。え?もうこのゴールデンウィークで定額給付金、使っちゃいました?

2009年4月28日
増子瑞穂
http://members3.jcom.home.ne.jp/massyweb/index2.htm



















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●我が家のホームベーカリー。当時は「ナショナル」今は「パナ
ソニック」に変わっています。

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●夜セットしておけば、朝、焼きたてのパンが食べられます。。

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●自分でカタチを整え、好みのパンを焼く楽しみも。