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増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 72(10/29/2009)

「3歳の節目から、続き。」

 先日、風邪をひいてしまい病院に行ってきました。幸い新型インフルエンザではなかったものの喉が焼けるように痛くトローチを処方してもらいました。子どもの頃、トローチにあいた穴を笛のようにして遊びながら舐めるのが風邪をひいたときのささやかな楽しみ。大人になった今でもノスタルジックな気分に浸りながら少しわく わくしてトローチを出してみたところ…、穴があいていないのです。平べったいカタチ。子どもの頃にあいていたトローチのあの穴は、前回のマッシー通信で触れたお金のおもちゃの穴と同じく、誤飲防止の役割だったのです。大人用のトローチには穴があいていないのですね。少しがっかりしながらも、誤飲防止の配慮に守られな がら育ったことに気づき温かい気持ちになりました。お陰で風邪もすっかり治りました。

前回、安全で長く使えるおもちゃについて紹介しました。もうひとつ、とりあげたい世界的に有名なおもちゃがあります。デンマーク生まれのブロック「レゴ」です。子どもの頃夢中になって遊んだ方も多いことでしょう。
「レゴ」はデンマーク語で「よく遊べ(Leg Godt)」ラテン語では「組み合わせる」という意味を持っています。私が初めてレゴに出会ったのは息子が産まれたとき。同級生のカーデザイナー山本賢司くんからの出産祝いでした。山本くんから贈られたのはレゴの「デュプロ」という1歳半から遊べるシリーズ。レゴの基本ブロックの2倍の大きさで作られていて、小さな子 どもによる誤飲の危険性はありません。
レゴは上部に「ポッチ」と呼ばれる凸部分、裏側には「チューブ」と呼ばれる円柱が施されていて、これらを押し合わせて様々なカタチを作り出すことができます。その組み合わせ、可能性は無限大で、例えば上部に8個のポッチがあるブロック2つで24通りの組み合わせがあります。3個だと1060通り、6個だと、なんとお よそ1億300万通りの組み合わせがあるのです。3歳の息子も遊び始めるともう黙々とブロック同士をくっつけたりはなしたり。創造の世界へひきこまれています。

レゴ社は1932年、大工の棟梁だったオーレ・キアク・クリスチャンセンによって設立されました。当時は、自動車や動物などをモチーフに木のおもちゃを手作りする会社でした。なめらかに走るオープンカーやよちよち歩くアヒル、オーレ・キアクは常に最高の細工と色の仕上げ、丈夫さを追求していました。この時期に生まれ た会社のモットーは「子どもにとって良すぎるものはない」
現在世界中に普及しているレゴにもこの考え方は受け継がれています。
品質の高い木のおもちゃメーカーとしてレゴ社は広く知られていましたが、1947年、プラスチックの将来性に着目したオーレ・キアクはプラスチックのおもちゃの生産を始めます。第一号の製品は赤ちゃん用のガラガラでした。そして1949年、プラスチックのトラクターを生産。トラクターの部品はくっつけたりはなしたり することができ、今日のレゴシステムの基盤となっています。
現在作られているレゴのポッチとチューブのかみあわせに許されている誤差は1000分の2ミリ以下。加えて、この精度は20年たっても変わらないことが求められています。ですから親が子どもの頃に使ったレゴも、現在子どもが使っている新しいレゴもそれら同士はピタリとはまるのです。
時に、プラスチックのおもちゃは木のおもちゃに比べて粗悪品のイメージを持たれることがあります。しかし、木の良さを知りつくしたオーレ・キアクの生み出したレゴは、このようなイメージを拭い去ってくれるプラスチックおもちゃの逸品といえるでしょう。

私のレゴとの出会いは息子が産まれたことがきっかけでしたが、夫は小学生の頃レゴで遊んでいたそうです。レゴでロボットを作り、兄弟でぶつけ合い戦わせたそう。壊れなかった方のロボットが勝ち。レゴでどれだけ頑丈なロボットを作るかが勝敗の鍵になります。とまあ、いかにも男の子らしい乱暴な遊び方ですが、このような 使用にもレゴは耐えられるよう作られているのです。夫が使っていたレゴと、息子のレゴ、組み合わせて遊んでみたいものです。
男の子向けと思われがちなレゴですが、女の子向けのレゴもあります。ピンク色のコンテナに、ベビーピンクやローズピンクなど女の子らしい色のブロックが入っています。クリスマスシーズンなどは品薄になる人気商品です。

遊びに無限の可能性
男の子にも女の子にも
どの年齢層も夢中になれる
一年中遊べる
刺激を与え、そして調和のある遊び
飽きない遊び
想像力と創造力を伸ばす
使うほどに遊びの価値が倍増する
常に現代的
安全性と高品質

これはレゴ社が掲げている「レゴ・ブロックの10の特徴」です。
レゴは男の子も女の子も、月齢を問わず安心して遊べ、長く受け継がれるおもちゃなのです。

さて、2回に渡って、安全で長く使えるおもちゃについて触れてきました。私の中でも変化がひとつ。
この度、第二子を妊娠いたしました。新緑の頃には新しい命が誕生する予定です。上の息子とは3歳半違い。月齢の違う兄弟がどんなおもちゃでどのように遊ぶのか楽しみです。
子どもが増えると様々な問題、課題が出てくると思います。子どもを2人連れてのベビーカーの問題、子育て中の3人乗り自転車の課題など、実際に体験してみなければ見えてこないことも多くあります。これまで以上に大変だとは思いますが、それ以上に新しい発見や、ひらめきに出会える機会があるでしょう。マッシー通信の中 でも紹介していきますので、どうぞおつきあいください。この場をお借りしてご報告させていただきました。
それではまた次回。

2009年10月29日
増子瑞穂
http://members3.jcom.home.ne.jp/massyweb/

参考文献:
レゴの本 創造力をのばす魔法のブロック
ヘンリー・ヴィンセック著

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●「ポッチ」と「チューブ」許容誤差は1000分の2ミリ以下。

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●8個のポッチがついたレゴ。6つで1億300万通りの組み合わせが!

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●3歳の息子が真剣に作っているのは新幹線。