■増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 75(01/31/2010)
「台所彩るシリコン雑貨」
現在長男は3歳4ヶ月、夫はまだまだ食べ盛りの30代、加えて私は2人目の妊娠8ヶ月で食欲旺盛なとき。と、独身の頃とは比べものにならないくらい台所に立つ時間が多い毎日です。そんな我が家の台所に増えつつあるものがあります。シリコン製のキッチン雑貨です。デパートやスーパーのキッチン用品売り場でも多く見かけ るようになりました。おにぎりやゼリー、シャーベットの抜き型から、ケーキなどの焼き型、ザルやフライ返しなど用途も様々です。種類にもよりますが耐熱温度が高いのが特徴で、200度以上のものが多く、電子レンジや揚げ物にも対応しています。材質は柔らかくしなやかで使い勝手が良く、毎日の料理に欠かせない道具とな っています。
我が家で活躍しているシリコン製のキッチン雑貨の中でも使用頻度が高いのが、スパチュラと呼ばれるヘラです。柄の部分は木でできているのですが、先端のヘラ部分がシリコン製。柄と取り外し、ヘラだけ洗うことができます。しなやかなヘラはフライパンや鍋を傷つけることなく思う存分、具材を炒めたりかき混ぜたりすること ができます。なによりも威力を発揮するのはチャーハンを作るとき。家庭のコンロは火力が弱いため、中華料理店のようなご飯がパラッとしたチャーハンをなかなか作ることができません。鍋をふってみたところで火力が弱いためそれほど効果もなく。そこでシリコン製のヘラでご飯をフライパンに押し付けるようにして炒める。す るとヘラがしなやかに曲がるためフライパンの熱がご飯に効率よく伝わります。腕が痛い思いをして鍋を振るよりも、パラッとしたチャーハンが出来るようになりました。シリコンだからこそ成せる技です。
もうひとつ活躍しているのが、これも先端部分がシリコン製のトング。当初、耐熱温度が高いのを利用して揚げ物用に使っていたのですが、テレビ番組で炒め物にシリコンのトングを使っていたのを見て試してみたところ、目からウロコの使いやすさです。これまで焼きそばなどは菜箸で炒めていたのですが、日に日に食べる量が増 えていく息子。炒める具材や焼きそばの量も多くなり、これまた段々と手が疲れてきます。そこでトングを使ってみたところ手が疲れない。菜箸で具材と麺をかき混ぜるよりも、トングで持ち上げるように炒めた方がスムーズに調理ができます。先端がシリコン製なので炒めるときにフライパンにトングが当たっても音がせず、フラ イパンに傷がつくこともありません。揚げ物に使ったり、炒め物に使ったり、ときにはサラダなどを取り分けるために食卓に置いたり。毎日、何らかの使い道のある道具です。
環境の面から活躍しているシリコン雑貨もあります。シリコン製の小さなカップ。カップケーキなどの焼き菓子用に使っています。以前は紙やアルミ製の使い捨てのものが主流でした。このカップも最近シリコン製のものが多く出回っています。何度でも繰り返し使え、エコの面から受け入れられているようです。我が家では子ども のおやつを作る焼き菓子用として作っていますが、幼稚園児がいる家庭では、お弁当用にシリコンのカップを使うことも多いようです。ミニトマトなど一口サイズのおかずを入れるのにちょうどいい大きさだし、色もカラフルなものが多いのでお弁当の彩りにも役立っているそう。使い捨てしないため、毎日のお弁当から、ちょっと したエコを子どもも学べるかもしれません。
最近ではラップフィルムもシリコン製のものが登場しました。ラップフィルムこそ使い捨ての代名詞のようなもの。おかずを温め直したり、冷蔵庫で保存したりというときのラップはもったいない気がします。ちょっとしか汚れていないラップを捨てる度に、いつも胸がチクッと痛んでいました。シリコン製のラップはゴミの減量に もつながり、そんな痛みもなくなりそうな製品です。何度でも洗って繰り返し使えるため、長い目で見れば経済的。また、おろし器の滑り止めや、固いフタを開けるときにも使える幅の広い製品です。今後我が家のシリコン雑貨に仲間入りさせたいと思っています。
手や腕が疲れず、エコにもつながるシリコン製品。握力の弱い方にもお勧めです。シリコンはユニバーサルデザインをはじめ、もっともっとデザインの場に登場してほしい素材だと感じます。
ちなみにシリコンラップの他に、今一番欲しいシリコン製品は「おたま」。お味噌汁が残り少なくなったとき、鍋底に沈んだ具材をすくう音がいやなのです。鍋と金属製のおたまのこすれる音の不快感といったら。柔らかいシリコン製のおたまなら音も気にせず鍋底の具材をすくえます。ほんのささいなことですが、生活の楽しみと は小さなことの積み重ねから生まれると日々感じます。我が家の台所にカラフルなシリコン雑貨はこれからも増え続けそうです。
2010年1月29日
増子瑞穂
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