■増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 85(12/29/2010)
「サンタクロースが教えてくれたこと。」
クリスマスの季節を終え、新年の幕開けです。クリスマスといえば、子供がいる家庭にとって頭を悩ませたのがクリスマスプレゼント。お母さん同士が集まると、クリスマスプレゼントはどうするの?となど情報交換をしました。
息子も4歳ともなると色んなことがわかってきて、クリスマスプレゼントにあれが欲しいこれが欲しいと言ってきます。それも、「電車!」や「ミニカー!」など抽象的な表現ではなく、「西武線を走っているミエテル電車のプラレール!」(銀河鉄道999のメーテルの絵が書いてあるラッピング電車のこと)など要求はかなり具 体的です。ちなみにミエテル電車のプラレールは今のところ存在しません。欲しいものなど言えなかった、何を与えてもうれしそうに目を輝かせていた頃、懐かしいなぁ…。欲しいものが言えるようになったというのも成長の証ではありますけれども。
クリスマスが近づいたある日、家族で子供向けのアニメを見ていて気づいたことがあります。それは主人公が悪を倒すために変身する場面が、とても時間をかけて描かれていることです。もちろん一番の見せ場なので、ある程度の時間をかけなければなりません。水戸黄門でいえば印籠を出す部分であります。
ですが、水戸黄門の印籠を出す場面はほんの数秒なのに対して、アニメの方は変身に使うアイテムの描写が、リアルに魅力的に時間をかけて表現されています。決め台詞とともに周りが光り輝き、アイテムを出してさぁ変身。変身用のアイテムも細部にいたるまでじっくりゆっくりと描写、時間にして1分以上です。さらに、日によ って違うアイテムを使うこともあります。もちろんそれも時間をかけ丁寧に表現されています。子どもはもう釘付けです。
そして物語の余韻さめやらぬうちに、コマーシャルに入るとその変身アイテムの商品がきらびやかに登場。子どもタレントが本物さながらに変身アイテムを使いこなします。子どもが欲しがるのも当然だなぁ。中には8000円近くする商品もあります。はぁぁ。クリスマスにサンタさんにお願いした子どもも多いことでしょう。
子供のおもちゃには、戦隊ものなど主役級が毎年変わるものがあります。それにともない主役のフィギュアや変身グッズも毎年更新されます。つまり毎年のように新商品が発売され、これまでのものは過去の商品になってしまうのです。主役交代にともない毎年のように主役関連グッズを子どもが欲しがる。これは悩ましいものです 。
一方で、主役が変わらないものもあります。「それいけ!アンパンマン」の主人公はアンパンマンだし「きかんしゃトーマス」はトーマスです。これらのものは主役が変わりません。その面では経済的といいましょうか。しかし、これまた、その仲間たちが続々と誕生しているのです。アンパンマンは、2009年6月24日、ギネ ス・ワールド・レコーズによって「最もキャラクターの多いアニメシリーズ」として認定されました。認定時のキャラクター数は1768体。現在も記録を更新中です。(ウィキペディア調べ)これを全部揃えたい!などと子どもに言われてしまっては大変です。
もちろんクリスマスプレゼントは小さな子どもの夢ですから、サンタさんに願いが届くといいなとは思うのですが…。
ご存知の方も多いと思いますが、日芸IDの先輩には本物のサンタクロースがいます。パラダイス山元さんです。グリーンランド国際サンタクロース協会の公認サンタクロースです。クリスマスの季節には、事情があって親と暮らせない子ども達や、病院に長期入院している子ども達を訪問するなどしています。
山元さんの書籍、「サンタクロース、ライフ。」から素敵なエピソードをご紹介します。
『北欧の伝統的なクリスマスで、唯一しっかりと日本に伝わっていないことがありました。日本の子供たちは、サンタクロースから一方的にプレゼントをもらいます。もらえて、あたりまえ。もらえなかったら、きっと「サンタなんていやしない!」と憤慨することでしょう。ところが、北欧の子供たちは違います。
「サンタさん、どうか私の家に来て下さい。おいしいジンジャークッキー、ママと一生懸命つくりました。忙しいとは思うけど、どうか家に食べに立ち寄ってね!」
わかります?この違い。サンタクロースは来なくて当たり前。来てくれたらラッキー。プレゼントを置いていってくれたら超ハッピー、ということなのです。お礼の「ジンジャークッキー」という話を、はじめて知った方もいるでしょう。どこの家でも、クリスマスが近づくとお母さんと子供たちがいっしょになって、サンタさんの ためにジンジャークッキーをつくるのです。子供がはじめてオーブンなどの火を使う料理に挑戦する機会でもあるのです。粉をふるったり、バターを混ぜてかき回したり、人型で抜いたり、チョコチップやドライフルーツを埋め込んだりと、好奇心旺盛な子供は喜んでお母さんのお手伝いをします。公認サンタクロースの体力測定で も、暖炉の上に山盛りのジンジャークッキーとミルクが用意されています。そうして一生懸命作ったジンジャークッキーを、クリスマス・イヴの夜に枕元のテーブルや、暖炉の上などサンタさんの通り道の暗闇でも気づきやすい所に置いておくのです。その横には「サンタさん、私の家にわざわざ来てくれてありがとう。クッキーの 味はいかがですか?今年もお母さんに手伝ってもらいながら作りました。おいしかったら、また来年も家に来て食べて下さいね。来年は、もっともっとおいしいクッキーつくりますね」など、サンタさんへの手紙を置いておくのです。こんな素敵な習慣、早く日本でも広がらないかなぁ〜。
「サンタクロース、ライフ。」より』
プレゼントばかり注目されがちな日本のクリスマス。プレゼントをもらったらクリスマスはもうおしまい、サンタクロースの存在も次のクリスマスまで忘れてしまう、ではないのですね。
「サンタクロース」という存在を通して、人への感謝の気持ちや思いやりを持つこと。そして親として、子ども達に伝えていきたい大切なことを気づかせてくれる素敵な本です。
クリスマスが終わったばかりの今だからこそ、一年かけてゆっくりと感謝の気持ちや思いやりの心を子ども達に伝えていきたいと思いました。次のクリスマスが子ども達にとってさらに心豊かなものになりますように。親としても毎日が勉強です。
ちなみに、サンタさんから4歳の息子へのクリスマスプレゼントは中古のプラレールでした。レッドアロー号です。西武線で本物のレッドアローが通るのを見るたびに「サンタさんにありがとうだね。」と話しています。
2010年もマッシー通信を読んでいただきありがとうございました。2011年もどうぞよろしくお願いいたします。
新しい年が、皆様にとって素晴らしい年になりますように。
2010年12月29日
増子瑞穂
http://members3.jcom.home.ne.jp/massyweb/
出典
「サンタクロース、ライフ。」パラダイス山元 著
「サンタクロース、ライフ。」162ページ「お礼のジンジャークッキー」から引用させていただきました。
山元先輩ありがとうございました!
こちらも素敵な本です。
「サンタクロース公式ブック」〜クリスマスの正しい過ごし方〜
パラダイス山元 著/監修
パラダイス山元の公認サンタクロース、ライフ。
http://yaplog.jp/santa/
公認サンタクロースさんは一度マッシー通信に登場していただきました。
http://www.nudn.net/maccy/38.html
●2011年もよろしくお願いいたします。
(クリスマスを照らした表参道イルミネーション、1月3日まで。)