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増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 125(01/05/2014)

「5月のイベント、ぜひどうぞ」


●超会議に登場した本物のしんかい6500!

4月はイベント三昧でした。
まず、お台場にある日本科学未来館の「世界一展」。館内には日本が世界に誇る様々な世界一が展示されています。その世界一展に合わせて、未来館の屋外スペースでは鉄作りのイベントが行われました。奥出雲に伝わる「たたら製鉄」です。粘土で炉を作り、炉の中に炭と砂鉄を入れ、ふいごで風を送り燃やします。粘土、炭、砂鉄、そして風、使われるのは全て自然のものです。そこから純度の高い鉄が生み出されます。現在の最先端の技術をもってしても、これほど純度の高い鉄をつくるのは難しいそう。粘土も、炭も、砂鉄もすべて奥出雲からお台場に運ばれてきました。
村下(むらげ)というたたら製鉄の職人さん指導のもと、鉄作りにいそしむのは都会に住む小学生の子ども達。朝早くから、炉の中に炭と砂鉄を入れる作業を繰り返していました。本来は、炭と砂鉄を入れ風を送り燃やし続ける作業は三日三晩続けられます。これを「ひと夜」と表現するそうです。今回はイベント用に炉を小さく作っているため、作業は一日です。それでも、熱いこと!炉に近づくと顔中ススだらけになります。
炉の粘土を浸食しながら、燃え続ける炭と砂鉄。日が暮れる頃、子ども達の歓声があがりました。炉の中から鉄が出てきました。この日は不安定な天候で、晴れたり、雷鳴がとどろいたりと、炉の中を表しているかのように天気がめまぐるしく変わりました。まるで陣痛みたい。雷雨がおさまり、夕日がお台場に差し込んだころ、鉄が生まれました。鉄の出産に立ち会ったかのようでした。
産湯につかり(水で冷まし)量りに載せられた鉄。48キロありました。大きな大きな鉄の赤ちゃんです。
奥出雲からいらっしゃった村下、そして都会の子ども達の手によって生み出された鉄は、日本科学未来館の世界一展で展示されています。期間は5月6日まで。ゴールデンウィークに、ぜひ見に行ってみてください。

そして、幕張メッセで行われたニコニコ超会議3。
メッセの1ホールから8ホールまで使われる大イベントです。会場内では、横綱、白鳳や日馬富士はじめ本物の力士による大相撲超会議場所が行われたり、自衛隊のヘリコプターアパッチが展示されていたり、宇宙からの帰還カプセルがあったり、潜水調査船があったり、楽器の生演奏があったり、歌ったり、踊ったり。ニコニコ動画のネットの世界を、地上に再現したイベントなので、もうわけがわからないことになっていました。安倍首相も訪れました。このイベントで、多種多様の人々が自らの思いを熱く語る「言論コロシアムブース」と、「超深海ブース」のMCを担当しました。
「言論コロシアム」のステージでは、昆虫食、つまり虫を食べることをこよなく愛する方のプレゼンテーションが繰り広げられ、私もいなごの佃煮をいただきました。その数十分後には同じステージで安倍首相が若者たちを前に政治について語っている。本当に不思議な空間でした。
そして「超深海ブース」。マッシー通信でも何度か紹介した、本物の!「しんかい6500」が幕張メッセにやってきました。昨年の国立科学博物館で行われた深海展ですら、展示されたのはレプリカ。このようなイベント会場に本物が登場するのは初めてのことです。

超会議の2日前の朝、東京湾のとある港にしんかい6500を乗せた母船「よこすか」が現れました。調査潜航を終えたばかりのよこすかは、本来ならば本部のある横須賀に戻るのですが、幕張メッセにしんかい6500を展示するため、メッセ近くの港にやって来たのです。
しんかい6500はよこすかのクレーンに吊り上げられ、トレーラーに載せられました。交通量の少なくなる夜中を待って、幕張メッセを目指します。
そして、超会議本番の日、幕張メッセの会場内にしんかい6500の姿はありました。関係者は皆さん「すごい違和感」を口にされていました。それもそうです。いつもなら、母船よこすかの中か、本部の整備上か、海にいるのですから。幕張メッセの会場内にいるしんかい6500。迫力があります。すごい存在感です。
超深海ブースでは、コックピットツアーが行われたり、マニピュレータというアームを使ったデモンストレーションが行われたり、パイロットや研究者のトークショーが行われたり。トークショーでは次世代のしんかいについて、来場者の皆さんと一緒に考えました。超会議の2日間、あっという間に過ぎていきました。超会議にやってきてくれたしんかい6500、お客さんの本当に楽しそうな笑顔が印象的でした。また、しんかい6500に関わる皆さんのうれしそうな笑顔も。
しんかい6500が再びトレーラーに載せられ、会場を後にした時。なんだか寂しい気持ちになりましたが、母船、お母さんのよこすかの元に戻っていったのです。無事、本来の場所にもどったしんかいは再び潜航調査の旅に出ています。
見逃してしまった方。しんかい6500と母船のよこすかは、5月10日に横須賀にあるJAMSTEC本部でも一般公開されるそうです。詳しくはWEBで。

超会議、2日間の来場者数は12万人超え。ネットでの番組視聴者数は750万人だそうです。すごい…。そして、来年も超会議の開催が決定しています。どんな違和感が待っているのでしょう。楽しみです!

2014年5月1日
増子瑞穂
https://twitter.com/massykachan

日本科学未来館世界一展5月6日まで
http://www.miraikan.jp/sekai1/

JAMSTEC一般公開5月10日
http://www.jamstec.go.jp/j/pr/public_open/yokosuka/2014/

ニコニコ超会議3
http://www.chokaigi.jp

紹介したイベントは番組で見ることができます↓
1500年の伝統技術!古代たたらの製法で鉄を作るin日本科学未来館
http://live.nicovideo.jp/watch/lv174770237

超会議番組 言論コロシアム1日目
http://live.nicovideo.jp/watch/lv174983767

超会議番組 言論コロシアム2日目
http://live.nicovideo.jp/watch/lv174994558

超会議番組 超深海ブース1日目
http://live.nicovideo.jp/watch/lv174986963

超会議番組 超深海ブース2日目
http://live.nicovideo.jp/watch/lv174996443

 

 





























image●たたら製鉄の炉、砂鉄を入れる作業を待ちます


●取り出されたばかりの鉄、真っ赤です


●産湯に使った48キロの鉄


●トレーラーに載るしんかい6500、うしろは母船よこすか

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●大相撲超会議場所

image●しんかい6500と愉快な仲間たち