■増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 157(01/01/2017)
「子どもの命を守るために」
●2017年、全ての子どもたちが事故なく過ごせますように。
あっという間にまた1年が過ぎていきました。2016年は子どもが犠牲になる事故が多かったように感じます。もちろん、自分が子育てまっただ中で、そういったニュースが目にとまりやすいこともあるのかもしれません。それにしても「またかまたか」の連続だったように思います。
先日のマッシー通信で取り上げた、アートイベントの事故。遊んでいい場所で遊んでいただけの5歳の男の子が亡くなりました。
そして、交通事故。子どもの飛び出しが原因の事故もありましたが、青信号や横断歩道を渡っていて事故にあうケースも多く発生しました。右折、あるいは左折してきた大型車に横断歩道上で巻き込まれる事故です。
歩行者と車の進入を完全に分け事故を防ぐ効果が期待される「歩車分離式交差点」の導入は進んでいません。ちなみに渋谷の有名な交差点はスクランブル交差点であって歩車分離式ではありません。歩行者と車の進入を分けるという点では共通していますが、歩車分離式は斜め横断禁止、スクランブル交差点は斜め横断可能です。歩車分離式は斜め横断ができないデメリットはありますが、導入へのハードルは低く感じます。それでも渋滞が起きるなどの理由から、なかなか導入されません。
「青になってもすぐには渡らない」「手をあげて存在を車にアピールする」「目立つ色の服を着る」「反射板をランドセルや靴など複数つける」そして「青や横断歩道だからといって必ずしも車が止まるとは限らない」自分の身は自分で守らなければならないと子どもに教えなければならない世の中です。下校中、横断歩道を渡っていた小4の男児が、直進してきたポケモンGOのながら運転トラックにはねられ、亡くなる事故も起きています。
高齢ドライバーの事故もよく耳にしました。実際、自分の親にどうやって車の運転を辞めさせるか、免許を返納させるかで悩んでいる友人もいます。私は両親とも他界していますが、そんなことを考える歳になったのですよね。地方では車がないと生活できないところが多くあります。しかし数百メートルの移動にも車を使うことが多いという話を聞くと、車に乗るのが月に一度あるかないかの身としては驚きます。
高齢者ドライバーはマニュアル車限定にすればいいという意見もあります。オートマチック車と違ってマニュアル車はアクセルとブレーキの操作を間違えたらエンストします。勝手に進むことはありません、止まります。学生時代、ずっとマニュアル車に乗っていましたが、操作ミスでエンストすることの恥ずかしさといったら。でも、そのおかげなのか事故を起こしたことはありませんでした。初めてオートマ車を運転したとき、車が勝手に発進する感覚に驚きました。しかし高齢ドライバーをマニュアル車のみにしてしまったら、踏切などでエンストしてしまったら。冷静な判断ができるかどうか、余計に危険な状況になってしまうのではないか。想像するだけで問題点がどんどん出てきます。
高齢化社会になっていくのですから、高齢ドライバーの事故が増えるのは当然のことかもしれません。でも、高齢ドライバーが子どもの命を奪う事故を耳にするたびにやるせない気持ちになります。
子どもの事故が多発し、暗い気持ちになりがちだった2016年、嬉しかったのは大分で2歳の女の子が無事に発見されたニュースでした。
12月上旬、大分県佐伯市で2歳の女の子が、母親や祖母らと畑にいたところ行方不明になり、一夜明け山の中で無事発見されました。2歳の女の子が寒空の中、一人で山の中で過ごしたとは。いつもより暖かい夜だったとはいえ12月。寒くて暗くて近くに川も流れる状況でよく無事でいてくれたものです。母親も目を離してしまったことをさぞかし後悔していることでしょう。大人の目が多いと、むしろ誰かが見ていてくれると思ってしまい、子どもへの注意力が甘くなってしまうことはよくあります。
年末年始、親戚など大人数で集まる機会も多いと思いますが、子どもへの注意、高齢者の運転、どうぞ気をつけてお過ごしください。
2016年もマッシー通信をご覧いただきありがとうございました。2017年がどうか良い年になりますように。
2016年12月30日
増子瑞穂
https://twitter.com/massykachan