■増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 158(03/02/2017)
「2分の1成人式」と「PTA問題」
暦の上では春になりますが、まだまだ寒い日が続きます。息子は小学4年生10歳、マッシー通信で最初の出産の報告をしてから10年が経ちました。時の流れの早さにおどろくばかりです。息子の小学校入学後、初めて知った成人式ならぬ「2分の1成人式」。成人を迎えるハタチの半分、10歳になる小学4年生のときに行われる学校行事です。
子育て仲間との年賀状のやりとりでも「もうすぐ2分の1成人式だね」という一言が添えられていました。2分の1成人式を歌った「10才のありがとう」という歌もあります。〜生まれて10年たちました〜という歌いだしで、息子がお風呂に入っているときに鼻歌まじりで歌っています。練習に楽譜は用意されていないらしく、耳だけで覚えているようで音程があやふやです。(私には〜あなたの街の0123〜という引っ越し業者のCMソングに聞こえます)。
息子が通う学校の2分の1成人式は、3月平日の授業参観の時間を使って行われます。普段の授業参観なら行かない人、行けない人も多いのですが、我が子がこれまでの10年を振り返り、きっと親へのメッセージも盛り込まれるであろう2分の1成人式なる行事。行かないというわけにはなかなかいきません。この日は仕事を入れてしまわないように手帳にもスマホにもしっかりリマインドです。平日に休みをとらなければならない…。子育て仲間が頭を抱えていました。
小学校6年間でたった一度のことじゃないか、と思う人もいるかもしれません。しかし小学校には休みをとらなけば、時間を調整しなければならないことがとても多いのです。入学式、卒業式、運動会にはじまり、学校行事、パトロール、PTAの活動、もちろん子どもが体調を崩して休まなければならないことも。特にインフルエンザのこの季節はいつ小学校からの呼び出しがあるか、ビクビクしながら仕事をしています。
(今年も、インフルエンザに関する過去のマッシー通信をたくさんの人に読んでいただきました。お役に立てたのなら幸いです)。
最近、PTAに加入しない道を選んだある主婦のことを書いた記事が話題になりました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170129-00010000-bfj-soci&p=1
ツイッターでは「#PTAやめたの私だ」というハッシュタグでPTAにまつわる様々な問題が綴られています。息子が通う小学校でももちろんPTAがありますが、加入するかどうかを問われたことはありません。PTA会費は、記事のような口座引き落としではありませんが、集金袋が配られ淡々と集金されます。
息子のときはPTA活動の中でもクラス委員という比較的軽い任務につくことができPTA役員を免れましたが、下の子が小学生になる今年からまた、PTA役員にまつわる悲喜こもごもが始まります。クラス委員や広報委員などにまだ就いていない人を選別し、PTA役員を選ぶためのクジ引きが行われるのです。各学校によって決め方はまちまちですが、毎年のように耳にする重苦しい空気漂うPTA役員決めの話しはホラーです。
人と話すのが苦手、学校と関わるのが苦痛、という人もいます。でも多くの人は何らかの形で我が子の通う学校に関わりたいと思っているし、子ども達が学校で楽しい時間を過ごすために役立ちたいとも思っています。私自身も小学校の読み聞かせボランティアで子ども達との時間を楽しく過ごさせてもらっています。それでもPTA役員だけは二の足を踏んでしまいます。なぜか。それは、PTA役員になると学校に足を運ばなければならないことがあまりにも多いからです。学校だけでなく、PTA活動にまつわる様々な場所へ行かなければなりません。空き時間に自分のペースと居場所で活動すればいいというわけではありません。「任意加入のボランティア活動」をはるかに超えた負担がのしかかってくる。 多くの人がPTA役員を敬遠する大きな理由でしょう。
妻(夫)の働き方によって夫(妻)の税金が軽くなる配偶者控除も103万円の壁から150万円の壁に見直されようとしています。これまで働く時間を制限していた人が、働く時間を増やせるようになります。これからも介護人口は増えることが予想されます。PTAなどの活動がますます困難になるでしょう。学校に足を運ばなくても、自由に身動きできなくても、子ども達の育ちに関われる仕組みを考えなければ、冒頭紹介した記事のようにPTAへ加入しない家庭が増え、いずれPTAは消滅するのかもしれません。今、学んでいる学生の皆さんが働きながら子育てをする頃にはどうなっているでしょうか。
さて、2分の1成人式。現在、成人18歳案が出てきています。いずれ2分の1成人式は9歳になるのかも。2分の1成人式と同じく3月は娘の保育園卒園式も控えています。仕事との折り合いをつけつつ、3月は涙腺が何メートルあっても足りないかもしれません。
2017年2月3日節分
増子瑞穂
https://twitter.com/massykachan
#PTAやめたの私だ ひとりの主婦の静かなる抵抗
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170129-00010000-bfj-soci&p=1
今年もピークがやってきました。参考になれば幸いです。
マッシー通信133「インフルエンザAがやってきた」
http://www.nudn.net/maccy/133.htm