■清水教授のデザインコラム/連載 - 137(02/07/2014)
ところで、いま、「デザイン力」が求められ、これまで以上の質的なレベルが期待されている。デザインがつぎなる時代へ向かう兆しだ!
もちろん、デザインを学ぶ誰もがそこを目指すのだが、ただ、学べば出来ると云うものではない。 個々人の資質や脳力・・・なによりも意欲、やる気が重要でもある。「ほどほどの時代」だからと横並びになることではない!
人一倍の努力を重ねなければ発想の「ひらめき」、デザインとしての「独創」を獲得することは出来ない。
もちろん、「資質も脳力もない!」と謙虚な心で学び頑張る姿勢こそが最も大切だ、ともいえる。「なにか方法論を・・・」と期待するだけでなく、まずは、自らの脳力=思考活動の「素」になる情報を頭に詰め込むことから始めるのが順当だろう。
ただ、人よりは周辺を見る眼をもつと自負し、資質として体に刻み込んできたというその感性も、考えるまでもなく過去のもの・・・。常に最先端であり、次代を目指すのだという問題意識も必要である。
観察によるメモやスケッチ・・・その記憶。眼と手の動きが大脳に刻む一連の行為、その繰り返しが生来の「脳力」を拡張することになる。
いずれにしても、まずは解決すべき自分の「問題は何か?」を捉えることによって対応すべき「カタチ」が見えてくるはずだ!
1 自分の目標、その確認!
目標は自分が目指す指標。ゴールに向かってどのように進むのかを描いてみる。自分を納得させるチャート・・・。折々には修正し、変更することにも。
2 楽しく!
学ぶことは楽しいことばかりではない。むしろ苦しいと思う人の方が多いかもしれないが、どうせ、やらねばならないことなら・・・楽しくやろう!
3 時間を多く持つ!
自らが学び―考え―発想する時間は、なるべく多く持つ。突き抜けたアイデア、ヒラメキを得るには時間がかかるものなのだ。
4 自分を知る!
なによりも自分自身を理解せねばならない。性格や適性、能力、好奇心や興味、好ましく思うことなども・・・。
5 友人や先生と親しくなる!
全ての考えに独りよがりになってはいけない、同学の友人や先生に親しく相談することも必要だろう。
6 自負心を持つ!
デザイナーとしての気分(活躍する自分をイメージ)をもち、しかし、なにごとも素直な心で学ぶ姿勢が大切だろう。
7 集中できる空間を持つ!
大学のアトリエ、自分の部屋・・・ひたすら集中できる脳力・知力拡大の空間・・・。
8 必要な本や道具を揃える!
自分の脳力・知力・能力を補完しサポートしてくれるものの充実・・・。
9 問いかけてみる
問いかけは知的な好奇心であり、脳力の素ともなるもの・・・。わからないことは躊躇なく問いかけよう。
10 観察し、学ぶ習慣を持つ・・・メモやスケッチも
人や、モノや、環境・・・デザインを学ぶ者にとって日常的に観察する習慣は大切なこと、生活の変化を注意深く見ること・・・。
11 理想化のイメージを描いてみる
現状、その先を考えながら、自分なりの理想、イメージをスケッチやメモにしてみる。
12その他
好奇心?興味?「関わる」、かも知れないすべてに意識すること・・・。
(2014/6・30 記)
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メモ:
これらのキーワードはデザイン(コンセプト)を学ぶ、新入生や2年次生の講義の中で数項目を選び「これから心かけたいこと」としてプリント配布していたもの。そのすべては無理でも1〜2項目、或は、なるべく多く心掛けて実行して欲しいと・・・。