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■OBの仕事・作品紹介

□大石一雄さん <株式会社プレックス>(S55年度卒)からの
                      キャラクター玩具のデザ
イン開発商品の報告

大石さんは卒業後、イラストレーションやギミックを使う玩具の世界に入り、今日まで数多くのキャラクター玩具を生み出してこられました。大石さんの仕事の一部を御覧下さい

キャラクター玩具のデザイン開発
玩具メーカー、(株)バンダイのグループ会社の一つである(株)プレックスでキャラクター玩具のデザイン開発に携わっている大石一雄と申します。

この職業に就いて、既に21年になりますが、主に男児向けの特撮変身ヒーローTV番組の商品企画デザインを担当してまいりました。扱っているのは工業製品、商品のデザインには違いないのですが、正統的な工業デザインとは異なり、また単にかっこいいキャラクターのスケッチを描いているのでもない、かなり異色のデザイン分野であると自負しております。その私達の仕事について簡単ではございますが、お話させていただきます。


【徳間書店「超合金魂」より転載】

御存じだとは思いますが、キャラクターには版権問題が必然で、それぞれの番組について、特有の事情が存在しています。当グループで玩具販売の基幹会社であるバンダイが商品化している「ス−パ−戦隊シリーズ」「仮面ライダーシリーズ」「ウルトラマンシリーズ」のキャラクタ−商品の開発には私を含む当社も関わっておりますがデザインに関する情報公開にはかなりの制約がありました。
しかし、以前は黒子状態であった私達も周囲の状況が変化しつつあり、徐々に社名が露出する機会も多くなってまいりました。



上記の作品には最近になってクレジットタイトルに当社の名前も登場するようになり、マニアと呼ばれる方に向けた玩具を特集したムックなどの取材も受けるようになってきました。それらのムックのインタビュー記事などに私達が関わった玩具やキャラクターデザインの開発プロセスを見る事ができます。

ところでデザイン作業で一番困難なのは、番組制作会社、原作者、そして玩具生産会社であるバンダイとの基本コンセプトとテーマの合意です。各社それぞれ独自のマ−ケティングによる主義主張、哲学、スタイルがありますから全社の思惑が一致するのにはかなりの時間と労力が必要とされま.す。方向が決定されれば以後、私達は全力でアイデアの図面やスケッチ化作業をこなし、ヒーローやロボット、武器などの立体化、商品化を行います。

重要なのはバリエーションやパターンを如何に数多く生み出せるかです。スピードも重要です。なにしろキャラクター商品は番組放送期間の都合により、事実上、販売日数が限られているので、発売日の遅延が売り上げ金額に直接、影響を与えます。この時間との戦いが最大の苦しみですが、商品が完成し番組が放映される時の喜びには他に得られない満足感があります。

又、当社ではテレビや雑誌とは別にオリジナルのキャラクタ−商品のデザインも行っております。古くは「マシンロボ」シリーズ、最近では米国マテル社との行っております。古くは「マシンロボ」シリーズ、最近では米国マテル社との共同開発の「ロボウィール」です。これらはキャラクターやストーリー設定などをゼロの段階から行い、変形システムやメカニズムの基本構想のアイデアを探りながら、スケッチや図面、モデルなどを制作して商品開発及びデザインを進めていきます。私が入社して最初に関わったのがこの「マシンロボ」でした。これら、全ての商品を通して開発デザインで一番重要なのは、やはりコンセプトです。


【プレックスのオリジナル商品「マシンロボ」。マシンからロボットへ変形する玩具で、大きさは
 ロボット状態で高さ9cm位で金額は600円、というコレクション性を重視した商品。】


子供に分かりやすいモチーフとテーマの選択、基本的にはプリミティブな形状を重視して、簡単な操作と最小のコストで意外性のある変形や印象的な合体システムを追求するのが我々の役目であり開発時のスローガンにもなっています。もう一つ、重要な要素、カッコ良い事。これも外せません。

デザイン作業は苦難の連続ですが玩具売り場で夢中になって遊んでいる幼児とか幼稚園や住宅地でヒーローになりきって友達と戦っている?子供を見かけると開発時のつらい記憶は吹き飛んでしまいます。(大石さん:談)


大石さん追記
AXIS/vol.83号「プロトタイプ・ニッポン2001」で『日本の独壇場、キャラクタ玩具の精密モックアップ』と題した記事で私がデザインした企画商品のプロトタイプの写真が掲載されています。御覧下さい。


【アクシスvol.83「プロトタイプ・ニッポン」より転載/
 (株)プレックスオリジナルキャラクタートイ企画「ビデオ戦士」のプロトタイプ】




株式会社プレックスのアドレスは<http://www.plex-web.com/> ですがデザイン画ライブラリーは著作権の問題がありまだアップロードできないとの事。
「大戦隊ゴーグルファイブ」「高速戦隊ターボレンジャー」「恐竜戦隊ジュウレンジャー」「忍者戦隊カクレンジャー」、、、近年の「忍風戦隊ハリケンジャー」まで本当に数多くのキャラクター作りに携わってこられ、そのデザイン画をここで御紹介する事が出来ないのが本当に残念!!興味の有る方はメデアワークス発行の「スーパー戦隊アートコレクション」戦隊ロボ編を御覧下さい。(編集者)

【<http://shop.mediaworks.co.jp/> にて「ムック・原画集」をクリックし「スーパー戦隊アートコレクション 戦隊ロボ編」をクリックすると 原画集表紙、値段、その他簡単な内容紹介有】


注)ムック=magazine(雑誌)とbook(書籍)との合成語。