NUDNimageNUDNとはimageID/PD分野についてimageお問い合わせ

image
partitionホームpartition藝術学部情報partitionデザイン学科情報partition学生作品partition卒業制作品partitionリンク集partitionメールマガジンpartition
image

■OBの仕事・作品紹介

□ 佐藤明彦さん<株式会社UDA代表>(S51年度LSD卒)からの
 Honda・Acuraの中国に於ける店舗スタンダードデザイン開発の報告
(11/26/2006)

image佐藤明彦さん率いる株式会社UDAが又素晴らしい仕事をされています。
【略歴】
日大芸術学部美術学科住空間デザインコース卒業後、(株)環境デザイン研究所入社。1986年、アーバンデザイナーズアソシエイティド設立。後に株式会社UDAに変更、現在に至る。その間、日本ディスプレイデザイン業 団体連合会賞/ディスプレイ産業奨励賞:川越電力館/日経ニューオフィス推進賞:電通新社屋オフィス計画等、多くの賞を受賞。

【ACURA】

本プロジェクトは、HondaのプレミアムブランドであるAcuraの中国展開のための店舗スタンダードデザイン開発です。
このスタンダードをベースに店舗規模、敷地形状に合わせた多少の修正を加えながら、中国全土に30店舗以上の順次建設を目指しており、写真は1号店のものです。
広い中国のどこにも、またどんな敷地形状にも適合し、かつ明確なアイデンティティを持つために、シンプルで個性のあるデザインを目指しました。
まず、空間の主たる目的は「プレミアムカーの展示」であることから、建築を「クルマという宝石を入れる宝石箱」と考えました。
宝石箱それ自身は中に入れる宝石を最高に見せる脇役でなければなりませんが、宝石に見合う品質が必要です。
またAcuraというクルマはプレミアムといえどもスポーティ色の強いブランドです。
そこで、気候を制御しながら透明感をもったガラスボックスをつくることにしました。
ガラスボックスの直線形状はクルマの曲面デザインに対峙し、太陽光制御のルーバーとガラス自体の性能選定により、自然光を十分活用しながら気候のコントロールが可能になります。

image

image

image

image

image

image

★株式会社UDAの皆様、今後益々のご活躍を祈念しております。



□ 佐藤明彦さん<株式会社UDA代表>(S51年度LSD卒)からの
               電通新社屋オフィスデザイン報告
(10/15/2003)

image電通新社屋ビルのインテリアは佐藤明彦さん率いる株式会社UDAが担当し先頃、社団法人ニューオフィス推進協議会「日経ニューオフィス推進賞」を受賞致しました。
おめでとうございます! 尚、参考までに同ビルは本年度グッドデザイン賞「金賞」(デザイン:大林組東京建築事業部)も受賞しております。下記を御覧下さい。
http://www.g-mark.org/search/Detail?id=29311&winners=2003
又、これとは別に「遊具」の分野においてもUDAがデザインした「ムービング遊具」(株コトブキ)が本年度「グッドデザイン賞」を受賞しています。併せて御覧下さい。http://www.kotobuki.co.jp/special/cp_new/action.html

電通新社屋オフィス計画のコンセプト

1・「分散から一極集中へ」
 旧本社は築地周辺に本社屋他4カ所の建物に分散しており、ビジネス効率の問題が懸念されていました。また本社屋自体も老朽化すると共に、情報化への対応に限界がありました。そのようなことから、以前より新社屋建設が構想されていましたが、97年に汐留地区再開発の入札により土地取得し、本格的に具現化する事になりました。汐留を選んだ理由は、交通・強固な地盤という立地条件の良さと、広告主・媒体社・新聞社・放送局や協力会社と近接できること、そして地価の下落でした。
 本社機能が一極集中することには効率化等のメリットと共に、情報セキュリティの問題や非常時のリスクも集中するデメリットも懸念されます。そこで建設計画にあたって、集中のメリットを最大化、デメリットを最小化する事を大きな課題としました。

2・「知的生産工場」
 新社屋のコンセプトは「知的生産工場」と位置づけました。これは、社員の創造性を喚起するのに相応しい環境を整え、クライアントや取引先に最良のサービスを提供する広告コミュニケーションビジネスの場を創造することです。新社屋はそのために様々な目標を掲げました。

image

●企業アイデンティティの明確化:先鋭的な建築が建ち並ぶ汐留地区において、オリジナリティの表現と周辺環境との共生という一見相反するテーマを掲げました。また、快適な職場環境の実現と地球に優しい建築の両立も必要です。
 セラミックドットプリントを施したガラスカーテンウォールは、垂直方向への濃淡グラデーションと水平方向への「白〜グレー〜透明」グラデーションによって、柔らかで主張しすぎない「消えゆく建築」を目指しました。また、超高層建築で類を見ない滑らかなブーメランシェイプの平面形は、ビル風を緩和すると共に、鋭角端を東京タワーに向けることによって、周辺地域に対する電波障害を大幅に軽減する事ができました。
 内部空間においても、奥行き15m、間口140mの無柱空間を、セキュリティ確保以外には極力間仕切らないオープンな空間とすることでオフィス全体を自然採光することができ、透明感の高い外周壁を通して浜離宮や東京湾を望む、自然景観に溢れた空間となりました。合わせて、室内の基本照度を300ルクス程度に抑えタスクライトを併用していますが、これは在席率の変動が大きいオフィスに対して照明に要する消費エネルギーを大幅に抑えるよう配慮したものです。この照明システムは日本照明学会賞を受賞しました。
 オフィスを構成する什器も、合理的で高品質な空間を実現するため、「透明感」をコンセプトに什器そのものをデザインすることから始めました。
 ロビーには世界中から招聘した18人の作家によってオリジナルアートが制作され、クリエイティブカンパニーとしての先見性とグローバルカンパニーとしての国際性を暗示する空間となっています。

image

●効率の追求:企業の業務構造の変化が加速する中で、組織変更へのスムーズな対応はオフィス計画における重要な課題です。ノンテリトリアルという手もありますが、得意先の現物商品を預かったり、クリエイティブワークを行う部門がある弊社にはそぐわない方法です。その上、部門によって職務内容が大きく異なるのも弊社の特徴です。だからといって部門によって異なる什器を使用する事は、組織改編時に多大な労力を必要とします。実際、改編毎に什器も異動していた旧社屋では、毎年そのために大きな費用を要していました。
 そこで、新社屋では全職務形態を分析した結果、2辺が1.4mと1.6mのL型のデスクでほぼ全業務に効率よく対応できるとの結論を得ました。そしてそのデスクを全館共通の一定の規則に従って並べることで、人事異動や組織改編時にも什器移動を極力行わないで済むようなユニバーサルレイアウトとしました。また、フリーアクセスフロアでも床を開けて配線変更することは実際には大変な作業を伴いますが、電気や情報配線についても什器の配置計画や機能に織り込むことで、わずかな部分の床を開けるだけで変更できるよう計画しました。それらの合理性と美しいデザインを両立させるため、ほとんどの什器をオリジナルデザインでつくりました。
 新社屋移転後、4ヶ月間で約1500人もの大規模な組織改編・異動がありましたが、スムーズに実行することができ、ユニバーサルオフィスの有効性が実証できました。
 また、超高層ビルではエレベータの待ち時間が長いのが普通ですが、ほぼ10階毎に停まるシャトルエレベータとその間を結ぶローカルエレベータを組み合わせた、デュアルエレベータシステムによって「待たないエレベータ」ができました。シャトル停止階は共通会議室階として、プレゼンセンター、試写室も備え、社内外のコミュニケーションの場となり、快適性と生産性が大幅に向上しています。

image

●情報セキュリティの強化:クライアントの極秘情報を扱う弊社業務に対して、情報セキュリティの確保は非常に重要な要件と位置づけました。オフィスゾーンへの出入りは全員が1階のゲート通過を必須としたうえで、各執務階においても第2のゲートを設け、非接触式ICカードの採用によって各ゲートの通過者を厳密に管理・選別することで、執務室に高いセキュリティを実現しました。来外者は当然のこと、社員1人々々についても業務領域に応じて進入できるゲートを限定しています。また、社員の入退館データは労務管理にも利用しています。

3・「ボトムアップの推進体制」
 5000人以上のオフィスというビッグプロジェクトですが、社員1人々々が満足できるオフィスでありたいと考えました。図のようなボトムアップのプロジェクト推進体制によって要望の吸い上げや計画内容の説明、意見交換を行うことで、社員の意見の集約として新社屋を具現化することを目指しました。同時に最高決定機関として新社屋建設委員会を設け、計画を立法化することで実施の徹底を図りました。とはいうものの、5千数百人を相手にコンセンサスを得ていくのは予想以上に大変で、各局代表からなる「新社屋建設推進委員」の方々の労力に負うところは非常に大きいものがありました。
 新社屋移転後は、オフィス環境局を新設して現場各局と連携してさらなる改善を続け、移転後1年経った今でも日々進化を続けています。

【佐藤明彦氏 経歴】

955年3月1日 出身地 山形県
1977.03 日本大学芸術学部美術学科住空間デザインコース卒業
1977.04 (株)環境デザイン研究所入社
1986.05       同     退社
1986.05 アーバンデザイナーズアソシエイティド設立
1989.06 ユー・ディー・エーに名称変更
受賞経歴
1997

日本ディスプレイデザイン業 団体連合会賞
ディスプレイ産業奨励賞:川越電力館
1998 JCDデザイン奨励賞、サインデザイン準優秀賞:DECKS TOKYO BEACH
2002 ディスプレイデザイン賞:Sabaay西インター店
2002

MERIT AWARD FOR INTERIORS 2002
:Hong Kong Housing Authority Exhibition Center
2003 日経ニューオフィス推進賞:電通新社屋オフィス計画
業務経歴
1981〜1982 横浜こども科学館建築及び展示基本計画・基本設計
1983〜1986 浜松科学館展示基本構想・基本設計・実施設計・設計監理
1988〜1990 東北電力盛岡営業拠点基本設計・実施設計・設計監理
1991〜1993 マイカルセンター三田内装計画基本設計・実施設計
1992〜1993 大阪ゴルフドーム建築基本設計・実施設計・設計監理
1993〜1994

上田市マルチメディア情報センター
展示基本計画・基本設計・実施設計・設計監理
1994〜1996 航空自衛隊浜松広報館展示基本設計
1994〜1996 川越電力館 展示基本設計・実施設計・設計監理
1994〜1994

臨海副都心大規模商業施設DECKS TOKYO BEACH
基本計画・基本設計・実施設計・設計監理
1998〜1999 日興証券大手町支店デザイン
1999〜2000 岡山後楽園サイン整備基本計画
1999〜2000 SONY EXPLORA SCIENCE 展示基本設計・実施設計
1999〜2000 青森航空科学館 基本計画・基本設計
1999〜2001 東京三菱銀行ブランド構築(サイン)264店舗サインリニューアル計画
2000〜2001 Hong Kong Housing Authority Exhibition Center基本・実施設計
2001〜2001 Sabaay西インター店 実施設計・設計監理
2001〜2002 アイシン コムセンタ− 展示基本設計・実施設計
2001〜2003 電通新社屋オフィス計画


★佐藤さんは私(NUDN編集/発信人)と同期生。同世代の活躍は刺激と活力、そして同窓としての誇りを与えてくれます。今後、更に活躍される事を祈っております。
尚、(LSD卒)のLSDとは建築デザインの前身・住空間デザイン=Living Space Design の略。