ラ・フォル・ジュルネ2018

クラシック音楽は高根の花?、「お高いイメージ」、高尚な趣味?そうしたのは誰!とっつきにくいイメージに想われがちなクラシック音楽。カジュアルな和気あいあいとした誰でも楽しめるクラシック音楽を目指すラ・フォル・ジュルネが実績と共にクラシック音楽の普及に頑張っています。

 

「題名のない音楽会」(テレビ朝日系列、2018年4月21日土曜日10時放送)でラ・フォル・ジュルネについて放送されました。これからの日本のクラシック音楽界のなすべき避けては通れない道を示していました。クラシック業界人が先頭に立ってクラシック音楽の良さをラ・フォル・ジュルネ含めもっと広めてほしいと、頼りにしていますと言わせてもらいます。

ラ・フォル・ジュルネとは

2018年ゴールデンウィーク後半の5月3日(木・祝)、4日(金・祝)、5日(土・祝)に丸の内、東京国際フォーラムと池袋の東京芸術劇場で開催され、3日間で来場見込み者数約50万人、公演数約400公演、2005年から日本でも開催されこれまでに延べ人数25,000人の奏者によって約4,700回の公演をこなし800万人弱の来場者数の実績を誇る「ラ・フォル・ジュルネ(仏語でLa Folle Journée 、訳は〈熱狂の日〉」は、1995年にフランスで創設され誰でも氣軽にクラシック音楽を低料金で短時間で楽しめるフランス最大級のクラシック音楽の祭典となり、クラシック音楽界に新風を吹き込み世界的なクラシック音楽離れを食い止めるミッション(使命)を創設者のルネ・マルタンが成功に導きました。以下のサイトで全体像と活動内容が理解できます。2018年のテーマは「UN MONDE NOUVEAU 〈新しい世界へ〉」。

参考サイト:www.lfj.jp/lfj_2018/

www.youtube.com/watch?v=POZU_pZrghY

数あるクラシック音楽演奏会の中で日本では十数年、フランスでも二十数年と歴史の年輪はまだまだですがクラシック音楽に興味はあるけれどなかなか機会に恵まれない、尻込みしてしまうなど、半歩前に出る行動力があれば2会場で1500円位からクラシック音楽を楽しめ400公演全部は聴けないにしてもプログラムを選んで親しみやすい楽曲を見つけ聴きに行けるクラシック音楽会です。今年はダメでも毎年この時期に開催され全国に広がりつつあるラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」です。

 

クラシック音楽のコンサートは演奏時間が長いと想われるのが一般的で、オペラになれば休憩を入れ4時間やワグナーの『ニーベルンゲンの指環』のように4日がかりで奏者や出演者と多くの時間を共有するものもあり、21世紀の時間に追われ長時間消費に戸惑いを覚える人々には敬遠されがちで、ロックやソロアーティストによるライヴがステージと会場を盛り上が一体感を魅せるポップスの方へと時代はシフトせざるをえなかったのだと想います。

 

日本クラシック音楽界における問題として広く一般に広めようとする動きが多いはずの中、一般や大衆にウケルあるいは好まれるクラシック音楽を定期的に演奏してこなかったことも要因の一つかもしれません。ポップスのアーティストの多くは決まってヒット曲を演目にいれたりアンコールに入れたりでファンを安心、魅了します。クラシック音楽のコンサートも同じようにお決まりの名曲をからなず演奏するようにすればクラシック音楽ファンも増えるのではと感じます。毎月演奏会を開くのであれば毎年その月には小品でも良いので同じ名曲を演奏し続けるなど常に深堀してプロスペックに陥らない方が好まれると感じます。

 

景気が良いとクラシック音楽が流行る?

東京オリンピック(2020年)を目前に控え1964年の東京オリンピック辺りからの高度成長期と文化的な高まりとが比例する動きを如実に証明した、黛敏郎の「題名のない音楽会」や團伊久磨(だんいくま)の「だんいくまポップスコンサート」などをリアルに体験した世代には21世紀のクラシック音楽が限られた人にだけ人氣がある現状を憂いているはずです。あるデータでは高額所得者ほどクラシック音楽を聴いていると、なんとももやもやです。歴代のクラシック音楽の作曲家たちは天国でどう想っていることでしょう。

 

クラシック音楽もポップス?

黛敏郎(まゆずみとしろう、1929年2月20日 – 1997年4月10日)の「題名のない音楽会」は、1964年から「ゴールデン・ポップス・コンサート」として開始されのちの黛敏郎の発案で「題名のない音楽会」になり今も30分のクラシック音楽テレビ番組としてつい最近、日曜日の朝から土曜の朝に放送時間帯を変えた番組として続いています。リアルに会場に行って黛敏郎の司会でクラシック音楽の楽しさを味わった世代としては盛り上がりや話題にするにしても分母の数の少なさに口を閉ざす傾向にあるはずです。

團伊久磨(だんいくま、1924年4月7日 – 2001年5月17日)の「だんいくまポップスコンサート」は、1967年から始まったようで70年代に会場に何回か行った記憶の中で決まってステージと会場が一体となった♪七色(なないろ)の谷を越えて…輪になって 輪になって…♫と「花の街(江間章子作詞・團伊玖磨作曲)」を唄い一体感を味わっていました。

偶然にも二巨匠の最初の題名には〈ポップス〉が入っています。

いずれもハガキや往復はがきで申し込み入場券がスタンプされたハガキが家に届くのを楽しみにしながら無料でクラシック音楽を聴けました。もちろん無料の陰にはスポンサーが資金援助していたからでしょう。

これはバブル時代の企業メセナや現代の企業における「企業の社会的責任」である社会貢献をすることで巡り巡ってその企業に恩恵が循環するCSR(Corporate Social Responsibility)活動に一致する取り組みです。

 

多くの企業参加・協賛があるべき日本

オフィシャルでは日本は長期デフレから脱却し有効求人倍率も正数になり企業の内部留保も過去最高を記録していると言われている以上、クラシック業界人はスポンサーになる企業にプレゼンし、これからの黛史郎や團伊久磨を目指して欲しいものです。そこには想像力の根っこにある発想力と創造力による企業の担当者あるいは経営をうならせる企画を持参しプレゼンすることが求められます。専門外と言わず、より多くの人に大衆に素晴らしいクラシック音楽を届けるミッション(使命)を感じ成し遂げてもらいたいものです。(当然しているという声も聞こえてきそうです)同じやり方でないところに新たな道が拓けるのではないでしょうか。世界には参考になる成功例がラ・フォル・ジュルネ以外にもあります。

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