黒いケースに竜頭付近が小さく青く光る黒いベルトのアップルウォッチではないリストバンドをしている人を近頃偶然街で見かけ珍しいなと思っていた矢先、情報銀行の実証実験ニュースとで符合しました。
情報銀行は利用者への金銭かサービスの還元があると聞き消費者アリキの時代を感じさせます。一方で個人への見返りが無いままビッグデータと称し個人情報が集約・ディープラーニングされ企業収益に活用されています。人の権利や自由、好みなどカスタマイズ出来るネット時代でありながら入り乱れています。
空きビン回収10円の時代が影を潜め、個人情報データを使いたい放題の時代
かつて酒屋さんに空きビンをもっていくと10円もらえた時代がありました。インターネット利用で個人のデータ・個人情報がタダとして扱われながら収益を目的とする企業にビックデータとして売られ利益をあげている現状は企業モラルに疑問の意識を目覚めさせます。消費者アリキと言っている企業でも逃げ口上として莫大な設備投資・初期投資の回収に充当とし、償却後の値引きについては消極的です。
情報銀行
提供されるICチップの入ったリストバンドを装着しGPSにより位置情報から行動範囲や移動距離や1日の歩数や脈拍の統計などのデータと、住まいの配電盤にセットした器機で使用電力などのデータ分析によって家電製品別の消費電力が分かると同時に、それらのデータを企業に売ることを承諾条件に金銭やサービスが受けられ、データ購入企業名などもネットで個人が選択・確認できる実証実験をニュースしていました。(9月23日、NHK7)情報銀行の実証実験が進んで実用化されれば、企業アリキからの転換で使用者・消費者の個人情報が個人アリキになり、使用者と企業の相互利益の可能性を感じさせます。
デジタル・シャドウ
スマホなどのSNSやネット利用者によるインターネット上に残している痕跡である”デジタル・シャドウ”をインターネット会社やハッカーは個々人をデータとして扱い、ある意味”宝の山”を発掘した感でそのデータを企業に売ってビジネスに利用している現状があります。ネット利用者は利用料金を払いインターネット会社は収益を上げタダの個人情報を他企業に活かす2度おいしいビジネスが見え、利用料金を下げるか副産物として得られた利益を還元すべき相互利益の課題に連なります。利用者個人ではデータ削除できず永久にネット上に残ってしまう不条理さも抱えるデジタル・シャドウです。
デジタル刑務所はセキュリティと監視社会が創る
デジタル社会の歪とでもいうべき利用者を人間と意識しないでデータとして扱うセキュリティ上のあり方に疑問と不審に思う人が増え社会問題化した米国では議会の公聴会が開かれIT企業やインターネット企業がそのデータ管理について追及され個人情報が情報機関に筒抜けになっていたことが日本でも話題になり他人ごとではないと思い知らされました。米国の公聴会で発言したある専門家は、上記のような米国の現代社会を”デジタル刑務所”と揶揄している発言も記憶に残るところです。(「”超監視社会”に生きる」BS世界のドキュメンタリー、3月28日(2017年)、NHKBS1再放送)もしかして地球全体の人々はすでにデジタル刑務所の中にいるということでしょうか。
”絆”は個々人の多様性に対する反対概念
国が国家安全保障という名のもとにセキュリティを多様性の時代というフレーズによって主権者である個々人を分断し孤立化させる未来社会のような現状に、”忘れられる権利”を個人が提訴したおかげでヨーロッパではデータ削除・閲覧不可のプライバシー保護が成立しています。個々人の孤立化の反対概念は”絆”です。
忘れられる権利
2014年5月13日、ネット社会に生きる我々使用者の主張である”忘れられる権利”は、1995年からの訴えでヨーロッパ司法裁判所によリ世界で初めて認められた以降、ヨーロッパではインターネット巨大企業に14万5千件の削除要請が出されました。ヨーロッパでは個人宅の庭の撮影禁止などアメリカよりも個人の自由やプライバシーを尊重する姿勢が浮き彫りになり”忘れられる権利”を主張した、たった一人のスぺイン人によって個人の権利を認める判決を勝ち取る本来の民主主義がヨーロッパにはまだあると感じさせました。
ZOZOのアパレル革命は産業革命を凌駕する
月世界旅行予約や芸能人との交際話に夢中なテレビに対し10月から社名変更したZOZOは斬新さで時代をリードする注目すべき企業で、率いる経営者は尊敬すべき創業者と知りました。長身や短身の人など含め消費者は既製服でサイズが無かったり部分的に我慢を強いられる服を購入せざるを得ませんでした。産業革命からの同一商品大量生産の時代に革命をもたらし新時代を切り拓くアパレル革命の時代を感じさせます。
高級な服やバック、靴などのオーダー装身具は別として、一般的なアパレル既製服はメーカーやブランドが提供するサイズに購買者が自分の体形を合わせざるを得なかった時代に対し、これからは注文した採寸服(ZOZOSUIT)を着用しスマホで自動採寸しデータをメーカーに送ればピッタリの服や靴が入手できる時代になりそうです。常識を破る情熱に注目です。(『ガイアの夜明け、ZOZOの野望』9月25日テレビ東京)
クオリティの追及が課題
お客様一人一人に合わせるこの企画はまだ導入期で縫製では課題として品質・クオリティが挙げられます。
世界中のハイグレード・ハイクオリティの商品を知る個人が見て縫製の仕上がりに満足するのか、結果的には着心地の良さと見てくれの良さ・ハイグレード・ハイクオリティを安価で実現できるかです。多様性に富んだ購買者が様々なデザイン、人と違ったデザインの服や靴、装身具などを求める傾向にクオリティをどこまで安価にシステム化できるかが鍵です。
企業アリキから個人アリキへ
個人が企業に合わせる時代から、企業が個人に合わせる時代を迎えた2つの事柄が教えてくれたものは、アパレルにおいては個人の希望や好みを活かす本来の”お客様は神様”の実現と、ネット社会における利用者の検索やSNSなどの利用履歴などの情報を相互利益に変え、利用者・個々人に合わせた商品やサービスを自動告知し購買へとつなぐインターネット利用企業が個人アリキを可能にしたデジタル社会だということです。
一方でこれからもっと盛んになる国家安全保障と個人情報であるプライバシー保護の問題は長い時間、尾を引きそうです。絆は保たれるのか個々人に関わる問題でありながら全体に押しつぶされることがあってはならない注視しなければならない時代を感じさせます。日本国での主権者は誰でしょう?と同じ課題が入り乱れヴァーチャルとリアルが錯綜(さくそう)する時代に身を置いている再認識が求められます。
明るく・元氣に・波動を合わせる…鈴木淳平