4月下旬に開業した、渋谷ヒカリエ。皆さんは、もう行きましたか。渋谷駅東口にある複合商業施設で、7月にはミュージカル劇場も開業予定です。地下3階と地下2階はお惣菜やテイクアウトなど、いわゆるデパ地下的な店舗が。地下1階は化粧品。1階から5階はファッションや雑貨関連、6階と7階は飲食店、8階は渋谷区関連施設で、9階10階はイベントホール、11階からはスカイロビーや劇場。17階から34階はオフィスです。
渋谷ヒカリエ、私はゴールデンウィーク明けに大人4人で初めて行きました。(女子会です)そのときに思ったのが、「あれ、ヒカリエ、子連れに向いてるかも」。そんなわけで、久しぶりの「子連れで○○」シリーズです。5月下旬、2歳の娘と2人であらためて渋谷ヒカリエに行ってきました。
渋谷ヒカリエへは、西武池袋線沿線の最寄り駅から、東京メトロ副都心線渋谷駅まで乗り換えなしで1本です。学生の頃から西武池袋線沿線に住んでいますが、便利になったものです。地下5階にある渋谷駅のホームから、エレベーター1本で15番出口へ。改札を出るとすぐに、ヒカリエ地下3階エントランスです。外に出ずに店内に入れるのが子連れにとってうれしいところ。いったん外に出たり、エレベーターを乗り継いだり、ベビーカーを担いで中途半端な階段を上り下りしたりすることもないのです。地下3階エントランスは、東京メトロ副都心線のほか、東急田園都市線が直結しています。また、東急東横線、JR、京王井の頭線、東京メトロ銀座線が2階連絡通路と直結しています。雨に当たることなく、紫外線を浴びることなく、店内へアクセスできます。車の場合、ヒカリエの駐車料金は30分400円、高いなぁ。駅直結なので、電車が便利ではないでしょうか。
エレベーターはエントランス入ってすぐ右手と、店内奥の左手にあります。子連れ、特にベビーカーなら、エントランス右手のエレベーターがおすすめです。広いのでベビーカーで入りやすいし、スケルトンなので外の景色も眺められます。店内奥左手のエレベーターは、混んでいるとベビーカーで乗りこめないことも。ちなみにベビーカー車いす優先エレベーターはありませんでした。
渋谷ヒカリエに到着したら、まずは、ごはん。子どもはお腹が空いていると機嫌が最悪になりますから、なにはともあれ、ごはん、です。飲食店は主に6階と7階にありますが、いずれもオープンな雰囲気。外から店内の様子がよく見えるようになっています。それぞれの店舗が独立しているので、フードコートとまではいきませんが、それに近いような作りになっていると思います。食事をしているすぐ横を人が行き交います。そのため、とてもにぎやか。これが、子連れにはかえって入りやすい。ベビーカーも置きやすく感じました。(静かに語り合いたいカップルには不向きかもしれません)
食後は11階にあるスカイロビーへ。ここは17階以上のオフィスへのエントランスにもなっています。ひらけたスペースになっているので、多少(常識の範囲内で)子どもが動き回っても、安心していられます。コンビニエンスストア、ローソンのキラキラしたお洒落な壁は注目を集めていました。その右手にあるガラス張りの壁は鏡が使われているのですが、あまりにもクリアなので、奥に行けるのではないかと錯覚するほど。実際に写真をとっていると、「この向こう側にはどうやって行けるのですか?」と尋ねられてしまいました。
なによりも「電車」「バス」「車」好きのお子さんのいるご家庭、朗報です。11階のスカイロビーはこれらのアイテムを一望できるのです。渋谷駅側を見ると、右手に東京メトロ銀座線の車両が東急東横店内に出入りする様子が見られます。建物の中に電車が入ったり、また出てきたりするので、とても面白い様子。地下鉄なのに、地上3階にホームがあるという、渋谷駅周辺ならではの地形の低さを感じられる場所でもあります。また、ほんの少しですが山手線も顔をのぞかせています。中央には、渋谷駅前のロータリーがありバスがひっきりなしに行ったり来たり。左手には首都高速3号渋谷線が見えます。車好きの子どもなら、走る車の種類をずっと言い続けていることでしょう。この11階スカイロビーには「シアターコーヒー」というテイクアウトもできるコーヒーショップがあるので、飲み物を楽しみながら、子どもにつき合うこともできます。子どもには(一部の大人にも?)たまらないこの眺望は、9階や8階からも楽しめます。
もっと落ち着いてゆっくり眺めたいなら、8階の「d47(ディヨンナナ)食堂」へ。渋谷駅側にあるカフェレストランで、47都道府県の食をテーマにしています。ここでは食事と「電車、バス、車」を一度に味わうことができます。ただし午後になると日差しが強くなってくるため、ロールスクリーンが下げられることも。景色も眺めたいのならお昼前がおすすめです。でも、子どもには数十センチの隙間があれば十分なのかもしれません。
子連れでお出かけの最大の関門。そう、トイレ。マッシー通信でも何度か取り上げてきました。ヒカリエのトイレは「スイッチルーム」と名付けられています。各フロアごとに違ったコンセプトで構成されていて、くつろぎを提案しているとのこと。気持ちを「スイッチ」できるトイレだそうです。何だか住めそうなほど、お洒落な空間です。
機能面でも、ヒカリエのトイレは子連れトイレの理想型にかなり近いのではないかと感じました。トイレの設置してある階には必ず多目的トイレがあります。オムツ交換台と洗面台の位置関係もあまり離れていないので安心です。(オムツ交換台と洗面台が離れていると思わぬ事故につながります。くわしくはマッシー通信連載63をご覧ください)
そして、これはうれしい!と思ったのは、個室内に靴を脱いであがれるボードが設置されていることです。オムツ交換台があることはうれしいのですが、2歳ともなると、オムツ替えは立ったまますることが多くなります。もう寝そべってなどくれません。仕方なく、様式便座のふたの上に立たせてオムツを替えることも。これは不安定で危険だし、ふたも壊れそうだし、出来ることならあまりしたくはないオムツ替えの方法です。この、靴を脱いであがれるちょっとしたスペース、があるとうれしい。多目的トイレだけではなく、女性トイレの個室にも設置されていますし、さらに男性トイレの個室にも。お父さんとお子さんだけでのお出かけでもオムツ替えの心配はありません。オムツ交換に対応している のが女性トイレのみで、お父さんが困った思いをすることがまだまだありますから。強いて難点をあげれば、多目的トイレの場合ですが、ボードとドアの開閉スイッチが近いこと。オムツを替えている間に子どもにドアを開けたり閉めたりされそうです。
そのほか、各フロアにAED(自動体外式除細動器)が設置されているのも、素晴らしいと感じました。
お腹を満たして、ほどよく運動させて、オムツも替えたら、ベビーカーで寝てもらいましょう。そうしたら、ゆっくりお買い物もできます。寝てくれている間に甘いものも…。
渋谷ヒカリエ、開業から1ヶ月が経ちましたが、まだまだ多くの人で混雑しています。子連れなら、早い時間に行くのがいいですね。飲食店は営業開始時間からたいへんなにぎわいです。次はぜひ5歳の息子も連れていってあげよう。日がな一日、銀座線の車両だけ眺めて終わってしまいそうですが。
ひとつ注意点を。渋谷ヒカリエは全館禁煙です。スモーキングルームは7階、8階、11階にあります。まぁ、子連れですから、そのへんは、ね…。久しぶりの「子連れで○○」お楽しみいただけましたでしょうか。次回は、子連れでスカイツリー、かもしれません。
東京に新名所が続々と誕生していますね。
2012年5月31日
増子瑞穂