ところで、「ご夫婦が長持ちする秘訣はなんでしょうかねェ~」と尋ねる旅人。
「諦めだよッ!」と、地元の老人・・・。
「そのセリフ、そっくり私が言いたい事だよ・・・」と。
そんな様々な地方を訪ねる旅番組を見たことがあった。人生の山や谷を幾つも越え「感謝」の境地にあるようにもみえる夫婦・・・。
「諦め・・・」は、お互いを知り、許しあう心でもあるのだ。私自身も聞かれると、そう答えることが多い。冗談めかすが、実は本音でもある。さらに云えば「我慢」であり、「忍耐」することだ!
男と女ー相手をみる結婚の条件
人柄、年齢、学歴、価値観、趣味、生活力、性格、体臭、能力・・・。結婚を意識するとき、相手をどこまで理解し、どこで妥協するのか・・・。
個体差、個性差などと、生い立ちがそれぞれに異なる男女が限られた生活空間を共有し、生涯を共にする・・・。当然ながら、恋愛中には、好ましいと見えた相手も四六時中行動を共にすると、さすがに「えーっ」と云うものもみえてくるものだ。家族としての夫と妻、ともに相手の立場に立って認めあい、許しあう心がなければなり立たないものが結婚だろう。
もともと人間は・・・・
人類誕生の時から意味あって男女をつくり、それぞれの役割分担を明確にしながら進化してきたものだ。しかし、夫婦として男女が対等の立場で結婚するようになったのは、そう古い話ではないようだ・・・。西欧諸国であれ、わが国であれ、女性は男性の所有物であり、性の対象ではあっても決して対等ではなかった。そういう時代が永く続いていた。
終戦後には、進駐軍によって治安の手段として男女同権、平等をおし進めるためにフオークダンス(昭和28年ごろ)などを取り入れたのだという。
また、経済発展のプロセスでは生活の近代化、機械化が浸透すると、男性を一家の中心に据える意味を失わせていた。つまり武力闘争や肉体労働=筋力から脳力、知力へと移行したからだ。女性の立場、権利は、徐々に、そして強く主張されるようになり、いまは逆転した?そう見える世の中になった。
筋力から脳力の時代へ・・・・
少なくとも労働が「筋力」から解放され、「脳力」に移り変わってからは、男女の仕事能力の差はつけ難いものになったからだ。ただ、一部とはいえ、余りにも傍若無人なデリカシイのない男性化した女性が多くなったようにも見える・・・。
長い歴史の不均等は女性を殊更に強いものにし、人間としての「母性」を忘れさせるという錯覚までも生み出している。そのことが、男性を萎えさせ、性や結婚に対しても極めて消極的なものにしているのだろう。
ちなみに、30~34歳の未婚率は1970年の調査では12%(男) 8%(女)だったものが2005年には47・1%(男) 32・0%(女)(2005年国勢調査)と右肩上がりのカーブを描いている。私の周辺でも、独身男性、そして女性の話を聞くことが多くなり、高齢・長寿化に反比例するように少子化が深刻化している。
今年もまた、『国勢調査』が行われることになるが・・・。我が国を託す問題としては由々しきことでもあろう。
少子化世代は、自己中心的に育ってきた・・・・
多くは「我慢」や「諦める」と云う意味もよく分からないようだ。自分が育った家庭、友達のような父親を通して理想の男性を描く・・・。家族とはまったく違い、新しい世界を見せてくれる男性に惹かれ、魅力的にすら映るらしい・・・。
しかし、いざ生活を共にしてみると、自分を大切にしてくれた父親や母親と違う対応に戸惑うことに・・・。夫に対する不満は、また、夫が妻に対する不満にもなる。そのささやかなギャップは、じょじょに耐え難いものに・・・。
結婚式での『誓いの言葉』が・・・。しかし、その前に両手を広げて受け入れてくれるだろう両親の笑顔・・・。「離婚」の2文字が脳裏をかすめる・・・。
誰しもが描く結婚に対する夢、しかし・・・・
その理想があまりに現実離れしたものになると、その理想とのギヤップに早々と失望し、離婚する。その決断は早い・・・。
相手を理解しようとすることや妥協、我慢をすることが分からないからだ。
とにかく自分にとっての理想の相手を探すこと、そのことが実は尋常じやないと思うのも、そう年月を要しないだろう。特に女性にとっては、一生の大事だと・・・。しかし、何よりビジュアルが大切だと主張し、武将や仏像、タレントに理想を求める女性達も多い。身勝手とも見える女性軍の一方的な条件提示には、草食系といわれる男性軍は恐れおののくだけだろう・・・。便利な世の中、さしあたって困ることもないし・・・。
自らの眼で見、納得すること・・・。
周辺を見回し手で触れてみることである。デザインで学んだように、あるがままの現実を受け容れる「心」があってこそ、見えてくるものがある!生活を平穏に、心豊かに維持するということは「忍耐」することであり、「妥協」すること。他を受け入れる、諦めの境地に有るということだろう。
(2010/9・4 記)
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メモ:
・ところで、戸籍上の高齢者が、長寿国世界一位だったと云うことになるのだろうか?世界に改めて先進国日本の、そのお粗末ぶりを知らしめたようだ。江戸末期から明治、大正、昭和・・・。我が国の激動期を生き、その近代化に汗した世代の人々が、豊かさの陰でひっそりと忘れ去られていた・・・。
・あっ~い! 連日の猛暑で舗装された路面が5・60度にもなるのだ。
1898年からの観測史上の温度平均の最高観測値なのだと・・・。
都市のヒートアイランド化の対応が早急に考えられなければならないだろう。
また、地方を襲う集中豪雨によって河川が氾濫し、路面や商店、住宅などを水浸しにしている。
改めて、環境的なインフラの見直しがされねばならないのだろう。