デザインでは、どのように考え、決めるのだろうか?
問題解決の可能性、そのためのアイデア・スケッチを並べてみたがどのアイデアがよいのか?
最終案として、数枚のレンダリングを描いたが、どれがいいのか?
デザイン・プロセスにおいては、その一つ一つに理想のイメージを重ねてみることが必要なのだ。
テーマについての認識力が理想(仮説)をイメージする・・・
認識とはテーマに関わる人や環境などについての深い理解・・・。
デザインの対象となるテーマは、既にある「モノ」の場合が多いが、時には、これまでにない、全く新しい「用途」や新らたに開発された「技術」、「材料」などによって商品化を図りたいとする「モノ」などがある。
いずれにしても、まずは解決すべき「問題が何か?」を、はっきりと捉え得る知力がなければならない。
その知力のレベルによって対応すべき範囲、そして提示すべき理想(仮説)の「カタチ」は見えてくるものである。
「デザイン力」は、それら一連のプロセスに対応しうる能力、自らが思考し独創的な最適を具現化、提示する能力を意味する。
そのためにも点、線、面、立体、空間、質感、色彩などの絵画的・造形的要素の認識を持って自在に組み合わせ得る発想力が重要でもある。
造形的・絵画的なイメージ思考・・・・
造形的要素が少ないと、そのカタチ化の可能性は限定されるものだろう。
日頃からあらゆるものの「カタチ」に興味を持ち”観察しスケッチする”という心構えが必要。勿論、自然物や人工物の美醜の判断力を持つ識者や専門家の意見、理性的、数理的な法則性、仕組みや色彩、形状の秩序には見習うことも多いがそれだけでおわると言うものではない。
デザインにおける「モノ」の機能は最終的には手で触れ、視覚的に捉えうる「カタチ」として商品化される。
決めるものは、デザイナー自体の造形的・絵画的思考力であり、そのセンスが大きくものをいうことになり、審美眼の有無がそのモノの質的完成度を分けることにもなる。
良くも、悪くも・・・。
デザインの評価する力・・・・
アプローチのはじめは「質」より「量!」を心掛ける。
なるべく多くのアイデアを出すこと・・・。
良いとか悪いとかと言う評価は、ここではしない。これはと思うアイデアを一気呵成にスケッチ化していくことだ。
一定の時間とスピードはアタマにプレッシャーを与える。
発想のリズムをつくり、スケッチを加速させることにもなるからだ。
評価は、一定量のアイデアを区切りとして行うべきで、それらの全体を眺め、比較することが重要なのだ。
ところで、その「評価する力」は、当然「デザイン力」の一つとして考えられるものである。
テーマの認識、その問題点などの理解があって、はじめて、リズム感を持ったアイデアの展開を可能にもするものだ。
また、多様なアイデアについての発想時には、常に手に取り、使う人の立場になって考えることも・・・。
比べ使い易いか、使い難いかの検討をしながら・・・。
勿論、より正確には、必要人数の被験者を使って観察し、評価の裏ずけとする数値を得るものだが・・・。
しかし、美しいか、美しくないか? 魅力的であるのか? ないのか・・・?
この[A形]と[B形」、どちらがいいのか?と言うことになると判断は難しい・・・。
それらは極めて個人的な感性によるもので、少なくとも周辺にいる数名の意見を基にしながらも自ら判断することになる。
それらは今後の経験則として組み込まれていくことになる。
「素直さ」は、学びの姿勢・・・・
常に先端的で、未来を目指す「独創性」と「美」についての問題意識が必要である・・・。
メモやスケッチとしての記録の記憶、手の動きを若い大脳に刻む一連の行為であり、その繰り返しこそが生来の資質を一層豊かで確かなものにする・・・。
それが、今なのだ!
これらのことは前回のコラムをはじめ、これまでにも繰り返し述べてきたことでもある。
デザイナーを目指す者にとっては、学びを意識する素直な心が重要なのだ!
(8・27 /2009 記)
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<メモ>
一寸気になるキーワード
・決断力と直観力!
・仕事は死ぬまでの暇つぶし?
・頑張るスイッチ?
・適切な競争原理?
・もう一寸で出来そうというレベル?
・比較する順位? 優越感、充実感、達成感・・・
・劣等感を力にする意識・・・
・思考の依存や放棄の思考停止族・・・。
・思考の歪みや偏りをもった思考不全族・・・。