軽井沢セミナーのキーワードが9日に発表された。
ただそのまえ7日には「ID論」の授業の中で2年生には伝えていたものだ。
多少の意味、説明を加えて・・・。
各グループ1~2名の出席が確認され、情報が2年生からグループリーダへ伝えられることを意図したものでもある。
今回のキーワード「途上国・地域における学童の生活・・・」
その情報・資料などの収集活動の始まりは早い程よいからでもある。
一刻も早く伝えたいとペンを握る者、どうせ直ぐペパーが配られるのだろうからと考えた者もいたようだ・・・。
授業や情報は常に公平に、均等に与えられるものと思ってはいないだろうか?
やや意地悪な試みだったが、情報は必要な人、関心を持っている人にのみ集まる事を言いたかったのだ。「情報と気付く者」、「気付かない者」「生かすも殺すも」その人次第でもあるのだ!
与えられて当然!待てば来るというものでは絶対にない!ハその事を強く意識しておいても欲しいものだ・・・。
ところでその「キーワード」、3、4年生には見覚えがあるものだろう。
確かな記憶として・・・。或いは、そのセミナーの情景すら鮮明に思い出してもいるのかもしれない・・・。
「途上国青少年のための製品デザイン・・・」は’02年度のキーワードだったからだ・・・。
この地球上の人口は65億、その大部分が途上国・地域、第3世界の人々でもある。人口減に悩む我が国とは異なり、まだ増え続けてもいる・・・。
折りしも、アメリカ・シーアイランドで行われたG8サミットの主要な議題の多くを提起もしている・・・。「貧困」「テロ・紛争問題」「エイズ対策」「教育の遅れ」「飢餓の循環」・・・・。
関心を持つて「デザインに何が出来る?」を考えてみたい。
あれからの2年目の軽井沢セミナー
今はもう3、4年生。上級生として後輩の目標となる立場でもある。
その2年間は充実したものだったろうか?
「そんな事より、その時のデータは?」
「あ、あれ、あの先輩のところに・・・」
「そのデータ、役に立つの?今も変わってないの・・・?」
「一体、その時のデータと何が違う・・・?」
「とに角、キーワードから何を読み取るかだ!」
「そのことは『想像する力』が肝心でしょう!」
「その事より何より今、調べなければならないことをリストアップ!」
「軽井沢セミナーの『テーマ』は何だ! 資料、何が必要なんだ!」
「とにかく『途上国・地域』って・・・」
「学童って? 青少年とどう違うの?」
「その生活を調べなければ・・・」
「どこで、どんなことを学習するのだろうか?」「算数や国語、絵を描いたり?」「体操も?」
「教科書やノート、鉛筆は・・・」「校舎や教室、黒板、机、イスはどうなの?」
「運動場で遊ぶ?」「どんな遊びやゲームがあるのだろうか・・・、日本と同じか?」
「サッカー?そう言えば、地雷の無さそうな場所を見つけて子供達がボールを追って走り回っていた が・・・」
「彼らの夢は、なんだろう・・・?」「そのために・・・、我々に何が出来る?」
「育ち盛りの彼らは何を食べているのだろうか?」「家族との団欒は・・・」
「小学生が働く? どんな?」
デザインをすると言うことはそんな彼らのライフワークをはっきりと理解し、脳裏に描き、浮かび上がらせることからはじまる。
アイデアの発想量はその理解力、多様な解釈力に比例するものだ!
方針を確認するこ、目標・条件が明瞭ならばアイデアスケッチはスムースになる・・・。
自分自身の小学生時代を重ねてみるのも必要だろう。
しかし、何よりも周辺から得られる「ヒント」はアイデアの飛躍に大きいもの・・・。まさに壮大な100名余によるブレーンストーミングでもある。
途上国にとっても「学童の教育問題」は国の将来を託す極めて重要なこと、その為のツールとして「学童に夢を与える」もの、そんなデザインでもあって欲しいと考えている。
まだ見ぬ国々に思いをはせ、デザイナーの持つ感性、想像力。それらを動員しての創造であって欲しい!
そのことが多分、意味を見失いつつある我が国のデザイン教育、その「起点」を思い起こさせてくれるものともなるに違いない!
(June 12/’04 記)