夏。山形の友人のところへ旅してきました。これまでマッシー通信で新幹線ネタを何度か書いてきましたが、山形新幹線に乗るのは初めて。テンション上がって、新幹線の中で食べるおにぎりだの飲み物だの東京駅で買い込み過ぎました。
山形新幹線で使われている車両は「E3系つばさ」です。ミニ新幹線とも呼ばれています。東京から福島までは東北新幹線と連結し、福島駅で切り離され、山形方面へ単独で走ります。下りは福島駅で先に到着した東北新幹線と連結し、東京駅に向かいます。(早朝などはE3系単独で走ることもあります)。福島駅での東北新幹線との切り離しや連結作業は、電車好きにとって注目の的。多くの人がカメラを向けます。
E3系がミニ新幹線と呼ばれる理由は、車両の幅が狭いことなどからです。福島から山形、新庄までは新幹線用の線路はありません。新幹線と在来線の線路は幅が違うので、本来、新幹線車両は在来線を通ることができません。そこで、新しく新幹線用の線路を作るのではなく、在来線の線路を作りなおしてミニ新幹線が通れるようにしています。在来線なので踏切もあります。ミニとはいえ新幹線が踏切を通過しているのは不思議な感じがします。ミニ新幹線が在来線を走る時は、速度を落として走ります。あのスピードで新幹線が踏切を通過して行ったら怖いですよね。
車両の幅が狭いので、車内もコンパクトに作られています。新幹線車両の座席は2列と3列の組み合わせが多いのですが、E3系は2列と2列です。車両が小さいので、新幹線ホームとの間に隙間ができてしまいます。乗降するときには車体からステップが出てきてホームへの転落を防止します。
ミニ新幹線の誕生は1992年。まず400系が山形新幹線としてデビューしました。その後1997年に、E3系が秋田新幹線こまちとしてデビュー。山形新幹線も徐々にE3系へと代わり、400系は引退しました。
さらに、E3系が走っていた秋田新幹線は、現在E6系という真っ赤でスタイリッシュな車両が使われています。引退した第一世代の400系、現役で活躍する第二世代のE3系、そしてニューフェイス第三世代のE6系。ミニ新幹線の歴史です。
ミニ新幹線E3系、色々なバリエーションがあります。
まずシルバーに緑のラインの山形新幹線つばさ。エクステリアデザインはGKデザインです。メタリックなカラーは涼しげでクールな印象です。
2014年6月からつばさのカラーリングが変更となりました。紫色のつばさです。山形の県鳥「おしどり」をイメージした深い紫色が先端から屋根に配されています。そこに山形の県花「紅花」の黄色、染料に加工されたときの赤が縁取ります。カラーリングはケンオクヤマデザインです。2016年度末までにすべてのつばさのカラーリングがこの紫バージョンに変わる予定です。現在、ほとんどのつばさがこの紫に変わっています。緑色のつばさが見られたらラッキーなくらいです。
そして、とれいゆつばさ。2014年夏に登場した一編成のみの新幹線です。6両編成中、3両は畳のお座敷車両。さらに足湯が設けられている車両もあります。福島駅の在来線ホームから出発し、新庄まで行きます。福島と新庄の間をくつろぎながら旅するお座敷新幹線です。
さらに、この春登場した現美新幹線。走る美術館です。外装は写真家・映画監督の蜷川実花氏。各車両にはこの列車のための現代アートが展示されています。こだわりのスイーツとカフェを楽しむことができ、現代アートに直接触れることができるキッズルームもあります。こちらは山形ではなく、新潟から越後湯沢まで50分ほどの路線を走っています。一息つきながらアートに触れるにはちょうどいい距離です。通常の自由席、指定席切符で乗ることができます。
ミニ新幹線E3系はこれからも色々と姿を変え、楽しませてくれることでしょう。あぁ、乗りたい!乗りたい!!乗りたい!!!
2016年9月1日
増子瑞穂
twitter.com/massykachan
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