●本物のパンタグラフ、大きい!
西武池袋線は今年開業100周年。日芸江古田校舎のある江古田駅も西武池袋線にあります。 西武池袋線の前身は武蔵野鉄道、1915年に池袋駅から飯能駅までが開業しました。それからちょうど100年です。
今、東京都西東京市にある多摩六都科学館で、西武池袋線100周年記念の企画展が行われています。 館内に入ると、西武線車両の二分の一モックアップが出迎えてくれます。なんと鉄道員さんが作ったものとか。 顔を出して撮影でき、小さい子どもはテンションがあがります。
展示室、ど真ん中に置かれているのがパンタグラフ、本物です! 電車の上についているひし形(最近はもっとコンパクトなタイプもありますが)のアレ、普段気にもとめないアレ、間近で見るとその大きさにまず驚きます。 電車は、外部から電 気を取り入れて車両内のモーターを回して走っています。電気は電車の上、線路と一緒にどこまでも続く架線に流れています。その架線にパンタグラフを接触させ電気をもらいます。
パンタグラフの中でも架線に接触する部分を集電舟といいます。シュウデンシュウ、電気を集める舟、なんだか素敵な名前です。架線に触れる部分は真ちゅうとカーボン、そのほかは鉄です。 パンタグラフはバネの力で、いつも上向きに持ち上がるようになっています。写真はひし形ですが、これは上から架線が押している状態だからです。架線の高さが上下しても、パンタグラフのほうから架線にくっつくように作られています。パンタグラフはちょっとした力でも形を変えるので、接続部分に指を入れようものなら おもいっきり挟まれてしまいます。展示物に触らないでください。また本物のパンタグラフには1500ボルトの電気が流れています。手が届くところにはありませんが、こちらも絶対に触らないでくださいね。
架線からパンタグラフに送られた電気は、車両内のモーターへ。モーターの中にあるコイルに電気を送ると、電磁力が発生してコイルが回転、それが電車を動かす力になります。パンタグラフの横にはモーターの模型が展示され、電気が送られモーターが回るしくみが紹介されています。直流モーター、交流モーターふたつの違いやそれぞれのメリットも説明されています。そして、実際に使われている直流モーターの実物も展示。こちらも大きい。普段車両の下に隠れて見えないモー ターの姿があらわに、まさに縁の下の力持ちがお披露目されています。
架線から、パンタグラフを通して電気を取り入れる。電気がモーターに送られる。モーターが動力になって、電車が走る。電車が走るしくみが、実際に見てわかるように展示されています。そして、パンタグラフがついている車両には必ずモーターもついている。当たり前のことかもしれませんが、電車が走るしくみを知ると何気なく走っている電車が技術の塊に感じられます。
また、重たい電車を少ない力で走らせる技術や、カーブでも脱線しない車輪の工夫など、実際に触って体感しながら学べるコーナーもありました。様々な素材があるなかで、レールはずっと鉄が使われています。まさに鉄道です。 ちなみに西武線のレールは1メートルあたり37キログラムから50キログラム。新幹線は1メートルあたり60キログラムのレールが使われています。自分の身長体重と比べてみると、いかにみっちみちに詰まった強度のある鉄が使われていることか、驚きます。
多摩六都科学館、西武池袋線100周年記念の企画展は10月25日日曜日まで開催中です。10月の土日、子ども連れでいかがでしょう。もちろん鉄道好きのお一人さまでも。
2015年9月30日
増子瑞穂
twitter.com/massykachan
多摩六都科学館(休館日に注意です)
www.tamarokuto.or.jp
西武鉄道100年アニバーサリー
「駅舎のいま・む かし」のコーナー面白いです。
かつての江古田駅、懐かしい!
www.seibu-group.co.jp/railways/100th/
●エントランスのモックアップ
●パンタグラフの集電舟。
●架線に接する部分は真ちゅうとカーボン。
●直流モーターの模型
●直流モーターの実物、やっぱり大きい!
●すいません、はしゃぎすぎました…。