○テーマの背景を十分に理解しておくこと
・提示された「キーワード」は直接、間接に、「テーマ」との関わりを意味するもの、生活世界の一端を指し示すものである。その解釈、類推から必要と思われる情報・資料の収集、分析を行うこと。
ただ、最近は各グループともインターネット情報に頼りがちで「情報源」が同じで、観念的になっているようで気になる・・・。
張り出された12枚のパネルがその内容を補完し合うもの、グループ独自のチヤートであって欲しい。
さらに、それらの内容から推理し、「テーマが何か?」を予想してみて欲しい。自らの認識力、推理力、直観力の確認のために・・・。
・これらの調査分析は「テーマ」の背景をなすと言うのは当然ながら、今後の様々な「演習テーマ」にも関わる生活世界、「デザイン発想の基盤」といえるものでもある。グループとしてチヤートを制作したというだけでなく、個人としても十分咀嚼し、理解しておくことが望ましい。
この理解の程度が、を決定することになる。
○テーマの条件から可能性の広がりを考えてみる
・いよいよ《80時間セミナー》の始まりである。
サブタイトルとした《80時間》にはプレッシャーを感ずる者がいることだろう。その事を考えると憂鬱にもなり、直ぐにも止めたくもなる者もいることだと思う。
しかし、人間は誰しもがこの時間のすべてを考えて緊張をし、集中をすることは出来ない。
とすれば、そんな憂鬱になるような時間は忘れて、もっと目の前にあるやるべきことの1つ、そして次の1つをと考えて進めることだろう。
その作業を集中する時間と、適切に休息する時間の効果的なバランスを如何に取るかが重要なことでもある。この時間、一連の流れはアイデアを生み出す発想の手法とも言える。
・《テーマ》のプリントは、当日、集合時に順次、手渡される。
その瞬間(とき)から具体的なデザインアプローチが始まるのだと言ってよい。
軽井沢に向かうバスの中では、これまでの予備調査による理解、知識を動員してを探ることだ。出来れば忘れないようにメモにしておくことも重要だろう。
また、テーマにをつけ、その時間的配分を考えておくことも・・・。
・そのは、多分、心地よいバスのゆらぎと相俟って、すぐに睡魔の誘惑があることだろう。
不眠症?など、直ちに解消される・・・・。
○到着後アイデアを直ちにパッドに描き写すこと・・・
・到着後直ちに、パッドが配布され、部屋が割り当てられる。次に、グループを単位に作業空間が割り当てられることに・・・。
・決められた席でこれまでの,そのを直ちにメモやスケッチとしてパッドに書き写しておくこと・・・。自分の中にある可能性、アイデアの全てを忘れないように・・・。
デザインプロセスにとっては、まず、そんな時間の使い方が有効なのだ。そのテーマに対する自分の解決の可能性を確認するため。
自らのモチベーシヨンを高めるためにでもある・・・。
・次にその集中・思考から開放される。作業環境を整え、休息の時間を取る・・・。
アイデアや、発想のヒラメキは、テーマに対する十分な思考を繰り返し、「もう駄目だ!」と諦めそうになったときや休んでいるときに、ふっと《ひらめく》のだという。
確かにそういう事例は多い・・・。
○デザインへのアプローチ、いよいよ腰をすえて取り組む・・・・
・リフレッシュしたらまず、先ほどのアイデアやメモを見直してみる。
さらに、「テーマ」の可能性を徹底的に記述してみる――「視点を変え」、「見方を変へ」て思いつくままに記述し、スケッチ化する。(アイデアを生み出す時の発想手法でもある)
「当たり前」と流さず、「分かりすぎていること」と無視しないで・・・。
自分の中にあり、テーマに関わることの全てを、徹底的に描き(書き)出してみる事だ。そこから、デザインの発想が始まり、自分に足りないものも見えてくることにも・・・。
・しかし、それでも続けなければならない・。そのがあると「便利だ」、「運搬するのに必要だ」、「楽しく遊べるモノ」・・・・。
日頃の生活、人々の中にあるを思い巡らし、なるべく多くの解決の手がかりを見い出すことである。
(問題意識の強弱が情報量、知識量の差を生む)
個人としての発想力に限界を感じるときでもある。
しかし、それで終わりにならないのは、それなりに、少ない情報量の中からでも、時に何かがこともある。
・時間と集中力。我慢から生まれるアイデアもあるのだ。
ひととうりのアイデアが出尽くしたと感じたら、ここで休み、気分転換をする。しかし、気分を持続させる為に、最終提出時間から割り出した計画表、時間配分の確認をしてみることも・・・。
・時間の経過は、それでも多くの「アイデア」を生み、「解決のヒント」を生むものだ。
必ず解決の手掛かりは、次々に生まれ出てくるようになる。
忍耐と集中力がその条件として大きい・・・。修行者のように一人黙々として・・・。
・「テーマ」に対する、可能性が徐々に見え始める。が、また壁に突き当たる・・・。デザインのプロセスは、その繰り返しに耐える事でもあるからだ。そんな中で突然《ひらめく》事も・・・。
○スケッチ、その方法・技法
・スケッチ力にコンプレックスを持つと、「描けない」、「描かない」で、良い方法をと考える。
しかし描ける事は重要だ!描けないより描けた方が良い。
何よりも描き慣れる事で、描ける様にもなる。
様々な形を読み取り、捉える。また、自在に表現することをこの分野では要求されるからだ
・アイデアスケッチは上手く描くことよりも「正確」に「素早く描き止める」事が重要だ・・・。そのことで発想のスピードが速まるからだ。
・表現のセンス、線の走り、かたちの正確さ、自在な造形量、紙面を埋める文字、図形など。そのレイアウトバランスもデザインセンスとして留意されねばならない。
・パッドの枚数、その厚み=各自のコンセプト、分析などのメモ、アイデアスケッチなど、その内容量は多いほど良い。
各自の発想力や能力の証し?となるものである。
・配布パッドはセミナーとしての最低限の条件枚数である。リーダー、上級生だから後輩の指導に忙しく規定枚数に足りなくて良いと言う理由はない。
確りとやり遂げた姿をもって、後輩の目標となってもらいたい。
○スケッチ用具
一応指定される。が、必要以上に多すぎても使いこなしきれない。日頃使い慣れている材料を中心に考えた方が良い。
パッドは2種類が支給される(通常のアイデアスケッチパッドとプレゼン用・マーカー対応パッド)
・色鉛筆 ・サインペン・・・ アイデアスケッチ用、鉛筆では紙面、手が汚れるので。
・消しゴム・・・余り消すことを念頭におかないで気楽に・・・
・マーカー ・パステル・・・期中にも簡単な使い方の指導がある
○プレゼンテイション
あなたが考えたアイデアを他の人に見せ、理解をしてもらうものである。
自分のデザインを正確に、積極的に見てもらえるように表現すること!に留意すること。
・レンダリング――見取図はそのモノを最も分りやすい位置から表現する。なるべく自然な角度で。
・コンセプト――初めに大まかな方針を。徐々に理解が進む事で完成度を高くする。
・特長――その「モノ」の優れているところを箇条書き、或いは図解する。
・取り扱い説明――操作、取り扱いを分りやすく表示する。
・製図――三面図(適切な縮尺をする。) 図面は寸法確認の為でもある事に注意。
・その他
○審査は「鳥の目、虫の目」で・・・・
@まず、審査基準となる枚数があるか +アルフアー枚数のチエック
Aテーマ・条件を満たした新しい提案であるか
B目的用途にふさわしい形態であるか
C生産性を考慮しているか
D軽量・コンパクトであるか
Eその他など
・「モノ」の提案、内容の質、量等を見定めたい。
・パッドに描き込まれるスケッチ、メモ類。その内容は様々だ。
ただ、その1枚1枚の紙面を意味なく埋めただけのものは枚数として除外される事も・・・。
自らのセミナー目標を裏切る事になる。その事は何よりも自身の《自負心》とはならないからだ。
・意欲を見せて欲しい。そうならない様に時間を追って頑張って欲しいものだ。
(June 6 2003 記)