人工知能の導入・成長期は賛否両論の意見が噴き出す試行錯誤状態
人とAIロボット、どちらがどちらに隷属・服従・従属するのか?…
AIによって人は本当に楽に幸せになれるのか?
AIロボットの未来は『ロボット憲章』の「お役に立てて幸いです」がいい
日々、ニュースをどのメディアで知るか?ある調査では若者はスマホで入手し、高齢者はテレビのニュースを観て知るようです。新聞社系のテレビ局の報道で新聞を読む人は70%いると、どの年代層を対象に調査したかは不明です。若者は本を読まないという記事・ニュースも目にします。テレビの影響力を軽んじるわけにはいきません。選挙投票権が2世代240万人しかいない18、9歳に下げられても、高齢者は3000万人以上と言われ、高齢社会の日本の将来は若者が決めるのではなく高齢者に決められてしまいそうです。逆説的ですがテレビで最先端技術の人工知能のニュースが増えていることに高齢者はただただ21世紀を感じ将来を担う若者への置き土産として人工知能・AIを理解したり賛同したりしているのでしょうか?以下は、テレビ番組の録画からの抜粋です。
人工知能・AIに関する最近のニュース
・日本語を聞き分け話すようになった、「WATSON(ワトソン)」
・「ぼくだってニュース読めるんですよ」Pepperペッパー
・囲碁五番勝負で世界チャンピョンを4勝1敗で破った「AlphaGo(アルファご)」
・自動運転車事故、220万キロ以上走行した中で初めての事故Google社
・タクシー無人自動運転車2020年に実用化、今年神奈川県で実道試験開始
・「ヒトラーは間違っていない」、ネット上で発言し1日で姿を消した「Tay(テイ)」
個人的に録画しただけでも以上のように、にぎわっています。
WATSON
「米が開発した人工知能を備えたコンピュータシステム「WATSON」が日本語でコミュニケーションできるようになりました。活用事例が紹介されました。「好みに合ったファッションを選んでくれる」プログラム。「左の商品はいくらですか?」、「こちらの商品は49,800円です」、「ちょっと高いですね!」、「そうですね」。質問内容を理解して希望に沿った商品を表示してくれます。こうしたファッションのアドヴァイスや金融機関への問い合わせなど幅ひろい分野でのAIの利用が広がりそうです。」
Pepperペッパー
「ぼくだってニュース読めるんですよ」Pepper。ソフトバンクショップやオンラインにて販売中。「きょうはまだ準備ができないですけれども…」Pepper。そう遠くはない将来、準備が出来たら「近い将来なくなる仕事は?(82に掲載)」が現実化しそうです。
AlphaGo(アルファ碁)
「AlphaGo(アルファご)」が囲碁五番勝負で世界チャンピョン韓国のイ・セドル九段を4勝1敗で破ったニュースは業界関係者に衝撃を与えました。
すこし残念なのは、人間対コンピュータの対戦でありながら、韓国のイ・セドル九段は自身の手で碁石を盤に打ち、AlphaGo(アルファご)は「助手の人間」が相手の手をキーボードでAlphaGo(アルファご)に打ち込み、演算した手を「助手」が盤に碁石を打っていたことです。人間がAlphaGo(アルファご)に支配・従属・指示されている景色に釈然としない感覚に包まれました。もっとも困難とされていた囲碁を予想よりも早く人工知能が人間を打ち負かしたのは驚愕でした。技術立国日本・各業界の技術者とIT先進国米国が組み、連携していれば、人工知能と擬人化された体裁でロボットの手・マニピュレータが碁盤に碁石を打つ対戦を魅せて欲しかったと多くの視聴者が感じたはずです。
チェスは1997年にスーパーコンピュータが当時の世界チャンピオンに勝利。将棋でも平成24(2011)年、プロの米永棋士を破って話題となりました。そんな中で囲碁だけは、この先10年はプロ棋士の実力には追いつけないとされ人工知能による囲碁の勝利は、衝撃的なニュースになったようです。日本の棋士は「今シーズン最大の衝撃の碁 人類代表として 素晴らしい勝利だ 未来が突然現れた 黒船を見た時も 皆こういう感じだったのか」とコメント。
明治維新は、黒船が現れて以来、植民地化から逃れる革命でした。平成維新ではなく電子維新(革命)。AIの高度化による技術進歩の陰で人が隷属化するのか?人工知能への隷属化から逃れる革命となるのか?
「ヒトラーは間違っていない」
人が人を貶(おとし)める。歴史は第二次世界大戦、ナチのヒトラーが挙げられます。そして今ネット上で善意と有効利用を目的に登場したはずのAIの「Tay(テイ)」が、ノイジー・マイノリティと言われる人を含め差別用語などを乱用され、いとも簡単に洗脳されたような発言をし姿を消したそうです。工夫(device)から生まれる装置(device)の中枢を担うAIの現状に混沌(chaosカオス)の切れ間からのぞく未来は人類にとって明るいのか日本にとって輝かしい将来を約束するものなのか?…。
AIをめぐる試行錯誤の旅は始まったばかり、我々普通人がAIの成長を直視し、自分に関わる未来として受け止めなければ、氣付かないまま隷属化する自分をAIロボットに氣付かされる未来が待っていそうです。
AIに懐疑的になるのではなく、期待と将来性を感じるからこそあるべき姿をそれぞれの人が想い描き手にして欲しいと思うからです。 (01.Apr.2016)