桜の開花から満開、そして桜吹雪になるまで今年はあっという間でした。新年度、小学校の入学式はつつじが咲いています。
今年「東京くらし防災」という冊子が東京都から発行されました。ショッキングピンクの表紙と可愛らしいイラストが目を引きます。防災への備えを促進することを目的に、女性の視点から作成されています。役立つと思ったポイントと私なりにひと工夫していることをいくつかご紹介します。
◯備蓄と災害用バッグ
冊子では普段使っているものを多めに買っておいて備える「日常備蓄」について紹介しています。確かに、災害用の保存期間の長いものを用意しても普段食べ慣れていないと調理方法や食べ方にとまどいますし、災害時こそ食べ慣れた味で安心したい。私も備蓄は災害用の特別なものではなく、お気に入りのレトルトを多めに買ってストックしています。休日の昼食などに食べ、減った分を買い足すようにして備蓄を兼ねています。また食料ストック棚と災害用バッグに分けて備蓄しています。災害用バッグには母子健康手帳とお薬手帳も入れています。必要な時は災害用バッグから取り出し、しまう時も災害用バッグに。災害用バッグを普段の生活に取り入れて暮らすと自然と備蓄もでき、災害時に必要なものも災害用バッグに入っていることになり、いざという時に慌てません。
◯台所
台所には割れやすいもの、怪我をしやすいもの、そして火と、危険がいっぱいです。冊子でも書かれていますが、使ったあとの包丁はすぐに洗って片づけるのがベスト。でもちょっと面倒です。かといって調理台の上に置きっぱなしにしておくのは危ない。大地震の揺れで飛んでくるおそれがあります。そこで使い終わった包丁はシンクの中に入れておきます。これだけで大きな揺れで調理台から落ちたり飛んできたりするリスクは少なくなります。
◯寝室
寝室には倒れたり落ちたりするものをなるべく置かない。東日本大震災のとき、倒れた家具はありませんでしたが、寝室にあったチェストが数センチ移動していてゾッとしたことを覚えています。我が家の寝室にある家具家電といえば照明器具とエアコンくらい。あまりにも寝室がそっけないのでお気に入りのポスターを飾っていますが、洗濯バサミでちょこんととめただけです。
◯公衆電話
災害時は携帯電話の通話やメール機能が使えなくなることがあります。公衆電話は災害時の連絡手段のひとつですが、公衆電話を使ったことがない、テレホンカードを知らない子どもが増えています。あらかじめ子どもに公衆電話の使い方を教えておく、小銭やテレホンカードを持たせておくことも必要です。あまりの珍しさにびっくりされますが、我が家では子どもにテレホンカードを持ち歩かせています。気にして歩くと公衆電話って結構あります。時々、公衆電話から私の携帯に電話をかけさせて災害時に備えています。ポイントは電話番号を暗記させてること。携帯電話やスマホの普及に伴い、電話番号って覚えなくなりましたね。
また、災害用伝言ダイヤルの使い方を教えておくことも大切です。最近では災害用伝言ダイヤルの使い方を貼っている公衆電話もあります。
冊子は女性の視点から作成されていますが、もちろん男性が読んでも防災のことが学べます。災害は男女関係なくふりかかります。また、女性特有の問題点も記載されているので、災害時に女性はこういったことが不安になる、心配になると知ってもらい理解してもらえるとありがたいです。「東京くらし防災」は東京都内、9000カ所に設置され、無料で配布されています。
東日本大震災から7年、熊本地震から2年の春。3月11日前後にはテレビやネットで震災関連の特集が組まれました。それでも報道の時間や規模は縮小している気がします。ひとりひとりの防災意識も今一度、見直したいです。
2018年4月9日
増子瑞穂
追記
このコラムをアップしようとしていた4月9日、島根県西部で震度5強の地震がありました。自然災害の多い国に住んでいることを改めて感じます。どうぞ余震にお気をつけください。
「東京くらし防災」について
参考「東京くらし防災」
・寝るときにできる防災(p.26)
・片付けでできる防災(p.32)
・買い物でできる防災(p.44)
・子どもと備える防災(p.74)
・安否確認の方法(p.108)