プラスチックゴミを無くすことは出来なくても減らすことは出来る。誰でもが生活ゴミとしてプラスチック製品を使い捨てている現状は無意識でも海洋汚染の加害者になっているということです。時限爆弾のように時間のトリックで因果関係の証拠すら明かせないまま人類に食物連鎖などでしっぺ返しされる恐怖を行動に変える時です。一人一人の意識改革で海洋汚染を減らす心がけと行動力があれば奪われし未来を取り戻せそうです。(冒頭の写真は数年前に東京湾の一部である浜離宮付近のゴミの溜まりを切り撮ったものです)
浜辺に打ち上げられたクジラの胃袋から多数のプラスチック袋が
タイの海岸で命を落とし打ち上げられたクジラが解剖され胃の中から見つかったのは、80枚以上のプラスチック製の黒い袋などでした。クジラはまともな食べ物が胃に入る余地が無いほどプラスチックを飲み込んでしまい命を落としたと推測されます。6月5日(火)19時~NHK7ニュースにて英国BBCからの引用放送。ウミガメの鼻先にプラスチック製ストローが突き刺さっている映像も紹介されていました。
使い捨てプラスチック製ストローの配布を中止し代わりに紙製ストローに切り替えるファストフード店や、パスタ製ストローを提供する店も出てきたとのこと。誰でもが無意識にプラスチック製品を家庭ゴミとして捨て、結果海の生物へ悪影響を与える海洋汚染を巻き起こす加害者であると知らされました。
年間3億トン(2015年・推定)毎年、増え続けるプラスチックゴミ(国連環境計画の報告)です。
ウミガメの鼻先に刺さったプラスチック製ストローのその後
プラスチック製品の海洋汚染で痛々しく苦しむ海亀の鼻先に突き刺さったプラスチック製ストローを取り出す映像がSNSで世界に拡散されていると、7月22日(日)19時~NHK7ニュース。海の生物への被害が深刻化する問題はプラスチックゴミの海洋汚染であるとしプラスチック製の使い捨てストローなどプラスチックゴミを減らそうと具体的に動き出した企業を紹介。スターバックスは、2020年までに日本を含め全世界の店舗で紙製ストローを提供すると、米国のハンバーガーチェーン、マクドナルドもイギリスとアイルランドの店舗で来年末までに紙製ストローにするとし、日本の大手製紙メーカーもスナックなどの袋をプラスチックから紙への開発に乗り出すと、外資系の日用品メーカーはペットボトルのリサイクルを進め、シールなどを再生プラスチックにしプラスチックゴミを減らす対策をするということです。
「加速 世界で脱プラスチック製品 スタバなども」とプラスチック製品の海洋汚染報道
廃プラ削減 世界で加速 脱ストロー・化粧品容器も。と7月26日(木)TOKYO MXTVで読売新聞記事を放送。
『奪われし未来』(原題「OUR STOLEN FUTURE」1996刊行、シーア・コルボーン、ダイアン・ダマノスキ、ジョン・ピータソン・マイヤーズ著、長尾力訳、翔泳社刊、1997年9月30日 初版第1刷発行)
表紙の袴には、”生命の存続を支えてきた生殖というシステムが壊れようとしている。…『沈黙の春』から30年―化学物質の危険性は癌だけではなかった!…体内に入るとホルモンの働きを攪乱してしまう。その結果―大きく「人類はもう子孫を残せない!?」”。裏表紙の袴にはアルバート・ゴア米国副大統領が序文を寄せた21世紀への警告の書とし、”…すでに地球上に蔓延してしまっている合成化学物質について、新たな問いを立てようと迫っているからだ。人類の行く末を真剣に考えるのなら、この問いには早急に答えていかねばならないだろう。私たち一人ひとりには、知る権利と同時に、学ぶ義務があるからだ(序文より)”
人類への警告の書として今からでも読んで頂きたい名著です。
『奪われし未来』でプラスチック製品が海洋汚染を深刻にしているとすでに20年前から告発されていた
現代文明は、化石燃料との合成化学物質に全面的に依存している。…塩素系合成化学物質とそれを含む生産物とで、世界のGNPの45%を賄っているという。この窮地に陥るのに50年の歳月を要したとすると、ここから脱するには、それと同じかそれ以上の年月がかかるだろう。(同書、P358より)
キャビアやチーズなどのごく身近な食品をはじめ、幼児の脂肪組織や母乳、南極のペンギンや北極のホッキョククマの脂肪組織、さらにはカルカッタで降った雨の中にすら混入しているPCB(ポリ塩化ビフェイ―ル)類など枚挙にいとまがない。生態系内にはりめぐらされた「食物連鎖」を介して地球の津々浦々にまで蔓延している化学物質の「生体濃縮」も由々しき問題(同書、訳者あとがきP365より)
海で最初は原形をとどめていたプラスチック製品も直射日光や風雨に晒され時間のトリックで微細に分解され歯磨き粉に入る微細なプラスチックの磨き砂の粒と同じようになり微生物が食べ物と間違い食し、小さい魚に食べられそれを中サイズの魚が食べさらにカツオやマグロなどが食しそれを我々が人体に摂り入れる食物連鎖が我々の体を蝕むようです。LGBTの原因のひとつとしても注目されているのがBPA(ビスフェノールA)と言われ簡単に言えば女性ホルモンであるエストロゲンや男性ホルモンのテストステロンなどを攪乱する環境ホルモンとして刷り替わり悪影響を与えていることになるそうです。
東京都のゴミ焼却炉は世界最高水準でプラスチック製品などを燃やしてもPCBなど有害な煙が出ない仕組みに成っていると聞いたことがります。一方で東京湾埋め立てに処理されるゴミに混在するプラスチック製品は長い年月をかけプラスチックゴミが微細な粒となって海に流れ散るなどゴミを捨てた張本人である我々の体に食物連鎖として蓄積・生体濃縮する結果になり人体をむしばむという皮肉を超越した奪われし未来になります。冒頭の写真を何百万倍にもした太平洋、大西洋、インド洋にプラスチック製品などで出来ているゴミベルトと言われる漂流群は大問題となって世界のドキュメンタリーなどで度々、取り上げられています。
未来を思うならば少しでもプラスチックゴミを減らす心がけと意識の高い人として生活すべきだと教えられました。少子化が進む日本において特に未来を担う子どもを育てる親御さんに、子どもを育てる責任を果たすもっとも大切な一つは化石燃料との化学合成物質であるプラスチックが溶け出し生体濃縮の恐れのある食物を子どもに与えず安心して食せるようにすることと小さいうちから教育することが求められます。(2018年8月1日)