2011年7月24日といえば。
アナログテレビ放送が終了し、デジタル放送へと完全移行する日。
CMも放送されキャンペーンも展開され多くの人が知るところでしょう。オリンピックや省エネに配慮したテレビのエコポイントが3月いっぱいで終了することもあり、デジタルテレビは普及しています。
では2010年3月31日といえば。
この日を認識している方はそう多くはいないでしょう。
ソフトバンクモバイルが第2世代携帯電話のサービスを終了し第3世代携帯電話へ完全移行する日です。

私が使っている携帯電話はまさに、この第2世代携帯電話。2Gというものです。2004年の春に購入し、6年間使ってきました。それから一度も壊れることなく、現在に至りました。
そもそも今の携帯電話会社、ソフトバンクに加入したのが今をさかのぼること14年前。大学を卒業して間もない頃です。
当時、会社名は東京デジタルフォン。懐かしい!と思われる方、またこの社名すら知らない方も多いことでしょう。イメージキャラクターは、故忌野清志郎、千葉麗子、河相我聞という、今振り返ると「へぇぇ」というような顔合わせでした。当時のパンフレットを保存しておかなかったことを後悔しています。その後、社名はJ-PH ONEへと変わり、Vodafoneと変わり、現在のソフトバンクとなっています。イメージキャラクターも藤原紀香やベッカムを経て(他にも色々いたような)現在、お馴染みの白い犬一家となりました。出演ギャランティはどの時代が一番高かったのか気になるところです。
それはさておき、14年に渡って利用している携帯電話会社ですが、バッテリーの消耗や、気分転換の機種変更など、こちらの都合ではなく携帯を替えざるを得なくなったのは初めてです。
2008年夏に以下のプレスリリースが出されました。
「ソフトバンクモバイル株式会社は、2010年3月31日(水)までに、第2世代(2G)携帯電話サービスを終了させていただきます。
第2世代携帯電話サービスは、1994年4月より提供を開始しましたが、2002年12月からは、第3世代(3G)携帯電話サービスを導入し、インターネットポータルサイト「Yahoo!ケータイ」、国際ローミングサービス「世界対応ケータイ」、高速インターネット接続サービス「3Gハイスピード」など利便性の高い付加サービスの実現に取 り組んだ結果、多くのお客さまに第3世代携帯電話サービスをご利用いただいております。こうした状況を鑑み、大容量かつ高速な通信の特性を生かしたサービスの充実が図られている第3世代携帯電話サービスへの移行をより促進し、第3世代携帯電話サービスに経営資源を集中することで、さらなるお客さまの満足度の向上を図る こととしました。
現在、第2世代携帯電話サービスをご利用のお客さまには、サービスの終了および第3世代携帯電話への変更などをご案内させていただきます。詳細につきましては、ダイレクトメールおよびソフトバンクショップなどでご案内いたします。」と。
それから毎月のように第3世代携帯電話への変更を促すダイレクトメールが来ました。内容も、「今なら3G機種変更で5000円の商品券プレゼント!」や「今なら基本使用料6ヶ月間無料!」や「もれなくしゃべるお父さんストラッププレゼント!」など様々。今すぐ交換しないとソンと、強く印象づけたDMが次から次へと来ま した。時には電話で直接促されることも。
それでも、携帯を替える気にはあまりなりません。壊れてもいないし、特に不自由も感じていなかったからです。3Gへの変更とともに今使っている料金プランも一緒に解除となってしまうことも大きな理由のひとつでした。(余談ですがものすごく安い料金プランでした。先月の利用料は夫婦あわせて3000円ほどでした。)

携帯電話への依存度は人によってかなり差があるとは思いますが、私はかなり低い方なのだと思います。今は電車に乗ると8割方の人が携帯をいじっている時代。メールを打っていたり、携帯ゲームや音楽を楽しんだり、youtubeの映像を見たりと様々です。しかし子どもがいるとそうそう携帯をいじるわけにもいかず。以前、子ど もが公共の場でぐずったとき用にポータブルのゲーム機にアニメなどの映像を入れて持ち歩いていたのですが、これが裏目に。いつなんどきでもその映像を見せろ見せろとうるさくてたまりません。これならいっそ最初から無い方が楽というもの。持ち歩くのを止め、車外の景色を見せるなど、ノーアイテムで乗り切る工夫をしてい ます。携帯でもしかり。ひとたび見せれば触らせろ触らせろのオンパレードになること間違いなしです。これも携帯への依存度を低め、今まで3Gへの変更をしてこなかった理由のひとつかもしれません。

私が使っていた2Gの特徴として、他の携帯電話会社にメールを送る際に絵文字を使うことができない、というのがありました。同じソフトバンク同士ならば絵文字を送ることは可能なのですが、他の会社にはダメ。しかし相手から送られてくる分には表示されるのです。たまに「また遊ぼうね<チェリー>」などと表示されること もあるのですが。(<チェリー>の部分には多分私の機種では表示されないサクランボの絵文字が使われているのでしょうね。)
私は絵文字も苦手ときています。絵文字が送れなくてもたいして、というか全く気にならないのです。しかし、これもまた少数派なわけで。現在は携帯メールのやりとりに絵文字が欠かせない時代になっています。絵文字がないと相手に冷たい印象をあたえてしまうようです。困った時代になったと思っています。
本来、人は文字が誕生する前は絵で表現しコミュニケーションを図っていました。それが象形文字となり、現在の文字となり、文字を使ってコミュニケーションが図れる唯一の生き物となりました。それが今度は絵を使わなければ円滑なコミュニケーションが図れなくなっているとしたら。なんとも人類の進化に逆行した本末転倒な 話しです。
しかし、携帯メールで絶妙な絵文字を目にすることも確か。この絵文字はこういうシチュエーションで、こういう組み合わせで使うのかぁ。なるほど。などと、内容とは全く関係ないところで感心してしまうことがあることも事実です。

著書、「負け犬の遠吠え」がベストセラーとなった酒井順子さんの最新エッセイ集「黒いマナー」から「メールのマナー」の項目によると。
以下、引用。
携帯メールにおける絵文字は、その人のパーソナリティーを如実に表すものです。やはり、愛想面において活発な人は絵文字を多用するし、そうでない人は文字だけ。普段はムッとしているような男性が、いざ携帯メールとなると急に可愛い系の絵文字を多用するようになると、「人は見かけによらんなー」と思うわけです。
絵文字はまた、世代によっても使用頻度が異なるものです。若者達は、「絵文字を全く使わないメールが大人から来ると、ああこの人って歳とってるんだなーって思う」
と言うわけで、彼等にとって文字だけメールは、年寄りの証。
そのような空気を察知してか、若ぶるためだけに絵文字を使用していると思われる人もいるのですが、あれはやめた方がいいのではないかと私は思います。それは「大人は絵文字を使うな」という意味ではなく、同世代同士でメールをする時は、いくらでも絵文字を使用してもいいのです。が、大人が若者にメールを出す時に下手に 絵文字を使用すると痛々しいし、媚び間が全開に。たとえ年寄りだと思われようと、堂々と文字だけメールを送るのが正しい大人のあり方ではないかと思われます。「酒井順子著 黒いマナー」より。

なるほど。このエッセイにホッと胸をなでおろしながらも、もう「他の携帯会社に絵文字が送れないから」という理由で絵文字を使えない、使わないという言い訳はきかなくなったわけで。それにしても絵文字に頼ってばかりいてはボキャブラリーが貧困にならないものなのだろうかと、子を育てる親の立場としてもいらぬ気をもん でいます。
「あなたの心遣いに涙が出るほど感謝しています。ありがとう。」という表現も、「ありがとう」の後に泣いている顔の絵文字をつけてしまえば伝わるような気がしないでもないし。
「本当になんとお詫びしていいか。申し訳なく思っています。ごめんなさい。」という表現も、「ごめんなさい」のあとに土下座している絵文字をつけてハイおしまい。で、本当に思いは伝わるのでしょうか。そもそも謝っている状況で絵文字というのは不釣り合いな気がします。かえって相手を不愉快にさせるだけではないのか、 などと考えるのは古いのでしょうか。それ以前にお詫びはメールではなく、面と向かわなければならないものでは、などなど。

とまぁぐちゃぐちゃ考えながらも2G携帯電話サービスの停止が押迫った先日、3G携帯電話に替えてきました。携帯電話への依存度が低いとはいえ、ないと困るというもの。出産も間近に控え、外出先でいつなんどき陣痛が起きるとも限らない。緊急の通信手段が途絶えるのは困ります。
しかし3Gへの変更で、一ついいことが。携帯写真がとっても綺麗になったことです。そう、子育てをしていて一番使う携帯電話の機能はデジタルカメラモード。笑ってはパチリ、泣いてはパチリ、親バカ大爆発で使っています。きっと第二子の誕生でも多いに活躍することでしょう。日頃デジタル一眼レフカメラも愛用しています が、子連れの外出は着替えやら飲み物やらやたらと荷物が多いもの。子どもを連れて大きなデジタル一眼レフカメラをいつも持ち歩けるわけもありません。今の携帯のデジタルカメラ機能はコンパクトなデジカメと比べて遜色ありませんね。子どもがいるものにとって携帯電話の一番役立つ機能はデジタルカメラモードかもしれませ ん。

さて、マッシー通信、来月号は出産のため、1回お休みさせていただきます。アラフォー出産で緊張しておりますが、3G携帯電話を手に、第二子の出産に臨んでまいります。
よいご報告ができるよう頑張ってまいりますね。

2010年3月31日
増子瑞穂

 

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●次から次へと届いたDM。

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●左が3G携帯、右が懐かしの2G。

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●Vodafoneのロゴマークがかすれるまで使いました。

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