■増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 32(5/31/2006)
「怖いものだらけ」
妊婦生活も7ヶ月目に入りました。
日々、笑える体型になっていきます。もとに戻るんだろうか。
前回のコラムで電車内での体験をお話しましたが、妊婦になって初めて思ったことがまだあります。世の中怖いものだらけということです。それは通勤時にしばしば体験します。
まず、駅の階段が怖い!
私が住んでいる西武池袋線のとある駅にはエレベーターもエスカレーターもなく、階段しかありません。
それもそうとう急勾配の43段です。段の奥行きも狭く、足を踏み外しそうになります。
以前、マッシー通信連載9「はじめての日本」で、駅のエレベーター問題について書かせて頂きました。 体が不自由だったり、ベビーカーを押していたりしている方のためのエレベーターがなぜ、わかりづらい場所に設置されているのかという内容です。(詳しくは「チャレンジ」のバックナンバーをご覧ください。)しかし、私がこれから体験するであろうハードルは遥かに高いようです。わかりづらいどころか、ないんですもの!
反対口にはエレベーターもエスカレーターも設置されています。
しかし、それを利用するには、まず開かずの踏み切りを待って、渡って、ホームひとつ分また歩いて、乗る、という手間と時間がかかります。妊婦のうちはまだいいのですが、ベビーカーを押すようになると、とても運べるような階段ではないのできっと反対側に行くしかないんだろうな。と考えながら日々手すりだけを頼りに恐怖の43階段をのぼりおりしています。
あ、階段をおりているときに後ろから携帯メールしながらおりてくるのはやめてくださいね。恐怖心をあおります。
次に人ごみが怖い!
いまさらですが、東京は人が多いですね。
JRと地下鉄と私鉄の乗り換えフロアなどは、前から後ろから斜めから人が来ていつぶつかるのではないかとヒヤヒヤします。
そんな人ごみのなかで特筆すべき怖さを発揮するのが、サラリーマンがよく持っているショルダータイプのカバンです。このカバンの肩掛けのひもを、ダランと床すれすれに垂らしたまま歩いている人をよく見かけます。このひもに足をとられそうになります。この状況に階段が加わるとなお怖い!うしろからハサミで切っちゃおうかななんて考えます。肩にかけない場合はシートベルトのように自動的に縮むとかできないものかなぁ。
そして、歩きタバコが怖い!
タバコが妊婦によくないことはご存知ですよね。本人の喫煙はもちろん周囲の喫煙も、乳幼児突然死症候群(SIDS)と関わりが深いことがわかっています。なので、なるべく喫煙所は避けて通るようにしているのですが、歩きタバコとなると避けようがありません。気がつくとどこからかけむたい空気。前方10メートルほどのところに目をやると歩きタバコをする人。慌てて追い越そうとするのですがなにぶん走れなくなっているため、歩みをおそめて避けるしかないこともしばしばあります。
タバコを吸う吸わないは個人の自由なので全く構いませんが、歩きタバコはけむりを垂れ流しながら歩いているということを忘れないでほしいものです。
歩きタバコをされている方、気をつけてください。後ろから妊婦が日傘で殴りかかろうとしているかもしれませんよ。
2006.5.31
増子瑞穂